パリの10月と11月の天気と服装の関係

パリは、稚内(北緯45度)より北の北緯48度50分に位置しますが、北大西洋海流のおかげで、北海道より温暖で、冬に雪が降り積もることはありません。

四季があるパリですが、実際は、あまり春や秋を感じないまま、夏からすぐ冬がやってくるような天候です。今回は、そんな季節の変わり目、パリの10月と11月の天気と服装について書きたいと思います。

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パリは雨模様の天気が多い

サトミーナ
こんにちは!パリのコーディネーター・サトミーナです。(@SatominaS)

パリ旅行の前に、皆さんが、気になるのが現地の天気。そして、パリでは、皆、どんな服装で過ごしているのか?どんな服装をスーツケーツの荷物に用意したらいいか?と、必ず、考えるものです。

今では、簡単にIPhoneで世界の気温と天気がチェックできるとは言え、信憑性に欠けるし、旅行における現地の気温で、一番重要なのは、体感温度ですから。

日本からの長旅のフライトで、疲れもあるし、身体自体が、現地、パリの天気に慣れていないから、天気予報より、日本の天気をよく知っている現地の人にタイムリーでパリの天気や人たちの服装を聞き、それを参考にできるのが一番確実です。

天候も一概に、天気予報で雨と表示されても、降水量まで、細かくチェックしたところで、よほどパリが、豪雨に見舞われていない限り、役に立ちません。

曇り空と雨模様は、とてもクラッシックなパリの天気です。一年を通して、どんよりしたグレーの空は、パリの定番です。

夏こそ、パリは、太陽が昇る日が増えますが、日本のように台風はなくても、スカッと晴れた日ばかりが続くわけでもなく、夏でも、曇り時々雨の天気がかなり多いのです。

では、おしゃれなパリの人たちが、雨降りを心配した服装を特別にするか?と言ったらそんなことはありません。

雨が多いからと言っても、日本のような梅雨があるわけでもなく、また、雨が降り出しても、一日中降り続くことは稀で、通り雨も多く、少し、雨宿りすれば、止んでしまいます。

最近は、雨が降ると、傘をさすパリの人たちも増えてきましたが、未だ、基本的に、雨でも、傘をささないのが、こちらの人たちなんです。

降り出したら、約束の時間があろうが、営業妨害になろうが、みんな店先で雨宿りしている。そんな光景もパリならではです。

傘をささないで歩く人も多く、雨に濡れたら、風邪を引くのでは?と心配するのは、日本人くらいなもので、ずぶ濡れになっても傘もささずに歩いているパリの人たち。風邪を引くほど、柔でのなく、もう雨に濡れることに慣れっこになっているパリっ子たちです。

よく、小雨が降るパリの街中で、傘をさしているのは、どう見ても外国人旅行者だけだったり。パリの人が滅多にしない服装でもある、日本人を含めたアジア系のツーリストの雨具スタイルを目にするのも珍しくないです。

パリの人の服装と天気の関係

パリの人たちは、ファッショナブルな人たちと、イメージされていますが、、、。パリコレに出てくるような流行最先端の服装をしているのは、モード系のお仕事に就いている人くらい。

街行く人たちは、センスのある人が多いけど、おしゃれという観点でみれば、日本人の方が、高級な服装にこだわったり、キメキメ度も高いような気がします。

フランス人は、個人主義を重んじるので、人がどう思うとかあまり気にしない。だから服装でも、自分の意見、自分らしさ、自分がどう思うかをまず、優先するので、季節に合わせた服装スタイルと言う概念が少し、日本人とはズレているうように思います。

自分が、寒いと感じれば、7月でもダウンジャケットの人を見かけるし、暑いと感じれば、10月、11月でも、タンクトップ姿で素足のシニアマダムがカフェでタバコを吸っていたりする。そういう意味で、服装の季節感をパリでは、あまり感じない。

こうでなければ、いけないと言う天気と服装のルールがないパリ。どんな格好、服装でも誰も何も言わないのも、とても心地いいもので、ここにいると、自然と自分もそういうパリの人たちと同じ感覚で、生活できるのです。

ベストセラーにもなった書籍「フランス人は10着しか服を持たない」は、本当にパリジェンヌたちのライフスタイルそのもの。

私たちがイメージするおしゃれな服装に身を包んだパリの人たちの実生活は、収納の少ないパリの小さなアパルトマンに住み、クローゼットには、ほんのわずかな洋服しかないのです。

彼らは、小さい頃から自然に身についた外見の美的感覚のセンスと日々の天気との間で、上手に組み合わされたコーディネートの服装をしているだけなのです。

10月、11月のパリの天気に短い秋を感じる

季節の変わり目、四季が曖昧なパリの天気。日本が猛暑で、暑すぎる8月ごろ、パリは、早くも秋の気配を感じ始める頃でもあります。

また、日本が梅雨の6月から7月にかけて、パリにとっては、一番、過ごしやすい夏を迎える頃で、日照時間も一年で一番長い時期。ヴァカンスを目の前にしたパリの街中が、とっても開放的になるシーズンです。

最近は、8月から9月、10月、11月と夏から秋への天気が、年々異なるように感じるのがパリなのですが、、。

8月、過ぎ去り夏にお別れをしたかと思えば、こちらの新年度でもある9月に、突然、真夏日のような日が続くこともあります。

そうしたエンドレスな夏の天気が続くことをインディアン・サマーといい、9月下旬から10月上旬に行われるパリコレの時期頃まで、夏のような天気で、世界から集まるファッショニスタも終わらないこうしたパリの夏にびっくりすることもあります。

世界的に温暖化が問題視されているので、ここパリも例外ではありません。こうして季節も天候も不安定ですので、もともと、春や秋がとても短いパリでの10月と11月は、秋を感じるのは、ほんの一時、短い一瞬になります。

10月になり、マルシェ(市場)やスーパーに、様々なフランスならではのキノコ類が登場すると、パリの秋を感じ始め、10月中旬過ぎに、トゥーサンと言う秋休み( TOUSSAINT)、日本のお盆休みのような休みで、11月1日は、祝日でお墓参りをします。

10月のこのトゥーサンの休みの間、10月の最後の日曜日に、時計の針を1時間遅らせて、サマータイムからウインタータイムに変わります。

冬時間に変わるともう、天気は秋というより、否応なしに、冬の気配をしっかりと感じる毎日がやってきます。

11月に入ると、日が暮れるのがどんどん早くなって行くので、街全体のどんよりした暗さも増してきて、朝も8時すぎても日が出ない暗い毎日となります。

暗くてまだ街灯が灯る、夜があけない中、子供達も登校していくので、子供達の服装もどうしても、着込みがちになります。

10月、11月頃のパリの子供は、特に、重ね着スタイルの服装が多く、コートやダウンを着込み中は、体温によって調節できるように、脱いだり羽織ったりしやすい薄手のカーディガンやタートルなどを着込んでいます。

パリの大人の10月、11月の服装はどうでしょう?

夏でも朝晩の温度差が激しいパリ。夏でも、夜になるとかなり涼しいこともあるので、必ず、1枚羽織れるカーディガンのような服は必需品です。

おしゃれの楽しみは、10月から11月頃の秋から冬にかけて始まります。芸術の秋、夜が長くなる季節は、夜のお出かけも増える頃。

10月、11月からクリスマスと、3月頃までは、冬模様の天気の中、文化的意識の高いパリの人たちが好きな夜のイヴェントも多く、服装も天気とTPOに合わせて選んでコーディネートしています。

朝晩は、どうしても冷え込み、日中は、外の天気が変わりやすく、室内に入ると暖房がききだすののが、10月、11月ですから、アウターには、コート系を。インには、子供と同じように、体温調節可能な薄手のものを重ね着しているコーディネートが多いです。

この外と中の温度調整がこの10月11月頃の服装のキーポント。暖房も建物によって入っているところと、そうでないところ、人混みでは、冷房がインのところもあるので、この頃は、季節の変わり目、やはり体調を崩しやすく、風邪なども引きやすいので、こうした気温の変化に対応できる着脱が可能な服装をインで着ていることも大事です。

一年中、パンツスタイルの女性が多いのもパリの女性の特徴ですが、10月から11月と寒くなるにつれ、圧倒的に、パリの女性は、スリムのデニムなど、パンツを履く傾向が増えるように思います。パンツルックもおしゃれですが、間違えなく、天気のことも考慮して、パンツスタイルになるのだと思います。

日本のJK(女子高校生)のように、寒くても素足に制服の短いスカートスタイルなんてことは絶対にありません。パリのリセアンヌ(女子高校生)は、私服ですが、まるで、制服なのではと思うほど、皆、デニムなどのスリムなパンツスタイルで登校しています。

クリスマスの頃になると、コートの下は、薄手のノースリーブのトップスとか、タンクトップというパリの女性も多いものです。

フレンチ女性は、デコルテと言って、首まわりから鎖骨、バストのあたりまでがあいているトップスが好きですから。デコルテのお手入れも欠かせませんし、タートルネックネックを着るより、こうしたデコルテがはっきりするトップスに、防寒の装いとして、首には、シックなスカーフやマフラーを巻く服装がパリらしいです。

日本人と違って、食生活も、本来の身体自体も違うので、寒さに強いのが欧米人です。真冬でも、見ている方がゾクゾクしてしまうような半袖姿で歩くパリの人を見かけることもあります。

夏に、ダウンコートを着ている人を見かけたりと、パリの人たちの服装は、天気次第で、本当に様々で、面白いです。

パリの10月、11月の天気は雨も多い。

秋だけではなく雨が多いパリと書きましたが、もちろん、秋も例外ではありません。パリの10月、11月の天気は雨模様が多い上、冬の装いに変わる頃です。

ファッションとしてなら、長靴やレインコートもタウン着として用いりますが、日本のように、子供達が、雨対策としてのレインブーツを履いて、登園&登校することもありません。

最近では、子供達は、ナイキなどのスニーカーが主流ですが、小さい頃から革靴を履く習慣のパリの人たちは、雨でも、革靴や革のブーツです。

10月、11月にかけての2週間弱の秋休みは、パリの人たちも、田舎の実家や祖父母の家に行き、お墓参りをします。

パリより北に位置するノルマンディー、ブルターニュ地方の田舎がに実家があるパリの人も多く、それらの地方は、10月頃から、ジトジトした雨ばかりの天気のシーズンに突入します。

フランスの酪農地帯であるそれらの地方は、世界的に有名なフレンチのレインコートブランドや乗馬用のブーツなどのメーカーの本場です。そうした王道のトラディショナルなフレンチブランドの服装も、パリでは、あまり見かけることがありません。

傘の代わりではありませんが、一年のどの季節でも、パリの人たちで多く見かけるのが、特に女性ですが、男性でも珍しくないのが、スカーフ、ショールやマフラーを、さりげなく首にまとう服装スタイルです。

このスカーフ類の1枚は、洋服1枚分の防寒となると言われるほど、大事で、首まわりから風邪なども引きやすくなるので、また、おしゃれのポイントとしても、老年男女が上手に自分たちの服装に合わせてコーディネートしています。

そんな1枚は、傘までの機能は、もちろんありませんが、10月、11月頃には、身にまとっていることが多いので、突然降り出す雨を避けるために、頭に被って歩いている女性も多く見かけます。

他人がどうとか、傘をさす、ささないにこだわらないパリの人たちのそんなスタイルを、日本人も恥ずかしいとかいう気持ちを捨てて、人の目を気にしないで、真似てみるのもいいかと思います。

日本人ツーリストのパリの天気を考た服装のポイント

スーツケースは、帰りのお土産を考えると、できるだけ軽量で、日本を発ちたいものです。それでも、常備薬や着替えなどの洋服は詰めなければなりません。

女性の場合、季節に合わせて、夏でも、スカーフ類があると便利ですし、10月、11月頃から冬場、春先までは、ストールやマフラー類を必ず、携帯することをお勧めします。

また、折りたたみの使い捨てでも構わないような傘も念のため、持ってきた方がいいでしょう。

男性ですと、オシャッレ感のある帽子なども防寒にいいので、10月、11月頃からクリスマスシーズンにパリに来られるのであれば、是非、コーディネートして欲しいです。フランス人の女性から、最近特に、日本人男性は、カッコ良いと人気上昇中ですから。

それと、注意したいのが、シューズです。だいぶ改善されましたが、歴史あるパリの街や観光地は、中世の石畳の小径があります。慣れない靴、ヒールの靴は、NGです。

昼間は、履き慣れたスニーカーなどで観光し、夜のお出かけには、履き替えるようなスペアの靴を持参するか、現地でパリらしい靴をゲットしてもいいでしょう。

そんな夜のお出かけやディナーにも、ヒールの高いものは、アスファルトの状態や階段も昔のままだったりするので、やめておいた方が、いいです。

男性も、おしゃれは、足元からと言われるくらいですから、日中の観光用のスニーカーと、夜お出かけの予定がある場合は、最低2足は、持参しましょう。

まとめ

基本的に、季節似合わせた、こだわりのワードローブがあまりないパリの人たち。10月や11月と2月や3月で、どう服装が違うか?と言うとそうでもないのがパリなのです。

大事なのは、その日の天気に自分がどういう服装をするかが重要なだけ。そして、そんなコーディネートの中に、自分らしさのセンスを上手く取り入れいるのです。フランスには、衣替えというような言葉は聞いたことがありません。

10月、11月のパリの天気と服装の関係を現地の人たちの暮らしぶりから見る観点で綴ってきましたが、旅行者である日本人でも、パリにいる時の日中は、こうでなければいけないという服装コーディネートから少し解放されて、パリの人たちのような天気に合わせた装いを楽しんでみたらいいかと思います。

夜のお出かけ、ドレスコードが必要な場所には、それなりにパリの人たちも気を使いますから、その辺りも、日本感覚と現地のパリの感覚の違いをさらっりと意識しましょうね。