日本も最近は、以前よりインターンシップが開催されるようになり、多くの大学生たちが参加しています。
では、日本人がフランスでインターンシップできるビザを取得して、一定期間、フランスで研修することができること知っていますか?
今回は、フランスのインターンシップ制度や日本人対象のインターンシップができるビザについてお話したいと思います。
Contents
フランスにおけるインターンシップの重要性
インターンシップとは、学生が社会に出る前に、特定の職の経験を積むため企業で実際の就業体験をすること、研修制度のことですが、フランス語では、これを「スタージュ」といい、とても広い意味を持つ言葉とされています。
また、フランス人なら、誰もがこのスタージュを経験しているものです。
それは、インターンシップという研修が大学などの高等機関の必須科目になっているだけでなく、今では、中学、普通科高校でも、インターンシップ教科があり、ほんの数日ですが、一定期間、働く体験をすることが義務付けられています。
こうした子供達のインターンシップ先は、まだ、将来自分が就きたい仕事とは直接、結びつかないものですが、早いうちから、仕事というものが、働くというものがどういうものなのかという体験をすることに意味があると考えられています。
それでも業務上の問題で、18歳以下の未成年をインターンシップ生として受け入れない企業も多く、又、このインターンシップが子供達の成績や単位に反映するので、親御さんも一緒になって、必死に知り合いや親戚の縁故の伝手を使って受け入れ先のインターンシップ企業を探します。
私の息子の中学も必須科目で3日間のインターンシップがあり、自分たちで受け入れ先を探さなければなりませんでした。
その頃、息子が憧れていた医療関係先でのインターンシップは、当然中学生では無理でしたので、はやり、私のコネクションで帽子デザイナーのアトリエで3日間、インターンシップをしました。
日本では、まず、高校へ進学し卒業後の進路で、技術を学ぶ専門学校に進む人が多い中、最近のフランスの教育では、こうして、若い中学生のうちに、働くことを学ばさせる機会でもあるインターンシップ制度を取り入れ、料理やアート、ファッション、美容関係などに興味がある生徒は、中学卒業後、普通高校に進まずにその道を極める専門的な学校に入学することを推奨しています。
インターンシップが必須科目のフランス
フランスでは、大学などの高等教育機関での学位を取得するためには、インターンシップを経験することが義務となっている場合がほとんどです。
インターンシップは、任意科目ではないので、終了後は、学校側へレポートなどの提出しなければなりません。
高等機関教育で学んできたことを、将来のキャリアに関連する企業で、実際の現場で体験することは、とても重要と考えているからです。
フランスは、日本のようなに、皆、同じスーツを着て一斉にスタートする大学生の就活がありません。
また、フランスは、高等機関教育の終了、学位の終了年度も、それぞれ専攻している勉強で異なる上、エリート校になれば、先輩が進んだインターンシップ先のルートがあり、インターンシップ後は、そのまま、インターンシップ先に就職することもあるのです。
フランスの正規留学の学生ビザを取得し学んでいる日本人学生も、学位を取得するためには、現地のフランスで、フランス人と同じようにインターンシップを行わなければならず、インターンシップの受け入れ先企業やその間の滞在先を見つけなければならないという問題があります。
この場合、フランス人学生も外国人留学生もインターンシップ生に違いがありません。ただ、渡仏前に、在日フランス大使館で学生ビザを取得してからフランスに入国し、フランスの移民局でそのビザで学生身分の滞在許可証を取得していないと、このインターンシップを行うことができません。
又、この場合のインターンシップは、学業課程あるいは職業教育教程上の必修科目であるので、自分が学んでいる分野とかけ離れた職種でインターンシップはできません。それでは、研修ではなく、アルバイトです。
外国人正規留学生にも卒業するための重要ポイントでもあるインターンシップですが、彼らがフランスでのこうしたインターンシップ終了し、ディプロムを取得したからといって、学生ビザからを就労ビザに簡単に変更することができません。
学生ビザ保有者の外国人インターンシップ生に対しては、あくまで学位をとるための期間限定の研修であって、フランスの就労ビザへ切り替えのサポートはしないという条件が前提です。
彼らはインターンシップ終了後、学位を取得し正規学生ビザが切れると同時に一旦は、日本に帰国することになります。
正規留学でないインターンシップのビザは?
職人や商人から仕事を学ぶ師弟制度、見習いという内容を含んだフランスのインターシップ。料理、ファッション、フラワーアーティスト、美容関係、建築関係など本場フランスでしか学び経験できない芸術的な専門の仕事のインターンシップは人気があります。
このような場合、どのようなビザで渡仏し、インターンシップを経験するか、悩むところです。
フランス語もわからず、日本から自分のインターンシップの受け入れ先を見つけることは、容易ではありません。その上、同時にビザの取得をしなければならないわけです。
3ヶ月以内のフランス滞在ならビザ不要?
フランスにビザなしで滞在できるのは最初に入国した日から半年間に合計で90日迄です。
この期間以内ならビザなしで、受け入れ先さえあれば、フランスでインターンシップを行うことができるわけで、実際に、その滞在期間中に教室系のワークショップに参加れたり、そのままお手伝いや見習いをしている方も多いです。
そのような方々は、すでに日本でご自分のお教室などを運営されていてキャリアも十分にある40代以上の女性が多く、毎年、パリに滞在し、3〜5日間だけいつもと同じお教室や先生に直接学びながら研修(インターンシップ)を行っていたりします。
フランスの労働局は、不法労働者の取り締まりが厳しく、パリの商店、飲食店など、不意にコントロールが入ります。
インターンシップ生に関しては、ビザ保有者で滞在身分が証明できること、また、インターンシップを受け入れた側も、正式な手続きをしていないと罰されてしまいます。
罰金、国外退去、フランス再入国ビザ申請不可などのリスクを考えたら、いくら数日間、ビザなしでのインターシップができるとしてもオススメしません。
また、ビザなしで、6ヶ月間に累積で90日間フランスに滞在した場合は、日本に帰国後すぐに、再度ビザなしでフランスへ入国することはできません。
その場合、目的に応じたビザを取得するか、最初にフランスに入国した日にちから最低半年間の間隔を空けなければ、ビザなしでフランスに入国することはできません。
ワーキング・ホリデービザの選択
年齢が30歳以下であれば、比較的取るのが簡単なワーキング・ホリデー制度によるビザで、入国し、フランスでインターンシップで働くというのが、もっとも手っ取り早い方法だと思います。
ワーキング・ホリデーのビザは、更新できませんので、1年で帰国しなければなりません。一生に一度だけ取得できるビザです。
それでも渡仏前から日本でしっかり準備し、インターンシップの受け入れ先、ステイ先を決めておくなどしておけば、1年間、本当に充実した見習い、本場でのインターンシップの経験ができます。
成功例として、お料理やパティシエ、フラワーアーティストなどの職人系の人たちは、自分のやりたいことが明確で、すでに日本でのその職種に従事しながら、自縦つながりと横つながり横のつながりの人脈、生きた情報源があり、知り合いの紹介というカタチで受け入れ先を見つけています。
先人が修行したポストや滞在先をそのまま受け継ぐルートが出来上がっています。後は、自分でワーキング・ホリデービザ申請に必要な銀行に規定の残高の証明などを用意することになります。
彼らは、仕事の経験はありますが、フランス語を特に勉強してきていない、(仕事していて、勉強時間がない)できないという難点はありますが、仕事で使う専門用語は、もともと、フランス語であったりするので、言葉が重要視されるわけでもないです。
フランスは、器用で勤勉な日本人のインターンシップの受け入れには、積極的でもあります。
そうした仕事に憧れるが日本での経験や人伝や紹介がない場合、何よりも早道なのは、費用はかかりますが、小学生・中学生・高校生の留学なら留学の【ネクシスジャパン】のような斡旋機関に頼ることです。
何もないところから、いきなりフランスで夢を叶える!修行する!といっても、自分一人で、ビザの手配、現地の学校、インターンシップ先、滞在先を見つけるのは、到底、無理です。
自分でやるとしてもフランス側からのメールなどのレポンスに時間がかかりすぎます。
こうした斡旋機関では、例えば、語学や料理学校などで学んだ後、シェフ見習い修行ができるインターンシップコースなどのコースが用意されているので、後は、自分のやりたいことを選ぶだけです。
社会人インターンシップビザとは?
在日フランス大使館のHPなどで社会人インターンシップビザで最大18ヶ月フランスに滞在できるというビザを見かけます。
読んで字のごとく、上記でも書いた専門職種で既に働いている社会人なら誰でもこのインターンシップビザでフランスで働く経験ができると思うものですが、その性質をよく知ることが大事です。
意味合いとしては、自分が勤務する日本の企業からフランスの企業に研修勤務することを意味します。この両社間には、資本や技術など、なんらかの提携があることが前提のようです。
例えば、フランスに本社があるフランスのブランドの日本法人では、こうした企業間の交流の一環としてのインターンシップ制度を設けているので、勤続何年後に、約1年間、本社や本店でインターンシップ・ビザで働くというケースです。
または、日本で現在働いている会社がインターンシップ派遣書を作成してくれ、その上、受け入れ先となるフランスの企業が外国管理局に日本の企業からその人材を受け入れるための申請するという3者間での書類が作成できる場合になります。
社会人インターシップビザの申請には、このインターンの3者間の協定書以外に、学生ビザ、ワーキング・ホリデービザと同じように、資金の証明も必要となります。
インターンシップでフランスに滞在する際、日本企業がそのまま給料などの手当を支給してくれる場合、または、フランスの派遣先企業が手当を支払うことになります。
ただ、それが一定の金額以上でない場合は、自費となりますから、社会人インターンシップビザ申請においても、規定とされる預金金額を確認し、銀行の残高証明を提出しなければなりません。
個人で取得できるビザではなく、企業間の協定書などもあることから、就労ビザと同じように取得が難しいと言われるビザでもあります。
理由はわかりませんが、この社会人インターンシップビザが取得できないケースも多々あるようなので、個人で専門的な職種のインターンシップを希望する人は、このビザと並行して、比較的取りやすい学生ビザも視野に入れて進めています。
日本人大学生がフランスのインターンシップに参加
大学での学業、講習の一環としてインターンシップを行う大学生のための、学生用のインターンシップ(研修)ビザがあります。
これは、期間が6ヶ月となっています。ビザの取得にも大学側、受入先企業との間の研修協定書が必要となります。
また、このビザの申請にも経済的な証明が必須ですので、指定された金額以上の銀行の残高証明を提出します。
日本の大学もグローバル化に力を入れています。国際交流が盛んな大学が多いので、自分通う大学の就職課、留学やインターンシップの相談などで、まずは、十分な情報を入手することです。
志がある大学生なら誰でもフランスでのインターンシップを経験ができるわけではなく、規定に従わなければなりませんが、適応資格があれば、大学側も研修協定書やビザ申請にサポートしてくれることでしょう。
日本での就活を考えると大学生活の4年間はあっという間で、外国への留学やインターンシップに躊躇してしまう学生も多いように見受けられます。
ただ、大学時代に語学留学や交換留学をするより、将来国際的に活躍したい、フランスに興味があるのなら、働く現場を見ることによって、実践的な体験ができるという点は、素晴らしいインターシップ制度だと思います。
このフランスにおける大学生インターンシップも、日本人の語学力が問われ、フランス語の能力より英語が重視されるので、TOEICやTOEFLが高得点であることも大事です。
新しいイノベーション・インターンシップ100とは?
フランスの前首相、マニエル・ヴァレス氏が2015年に来日し際に、イノベーション・インターンシップ100というプロジェクトを宣言しスタートしました。
このイノベーション・インターンシップ100に応募できるのは、30歳未満の学生か既卒者の日本人で、審査を受けて、選抜された者が取得できるビザは、ワーキング・ホリデービザの区分と同じです。
1年間のワーキング・ホリデービザ取得者のインターンシップは、自ら、インターンシップの受け入れ先を探さなければならい。
また、受け入れ先がなくても、ワーキング・ホリデービザを取得し現地入り後、受け入れ先を見つけたり、インターンシップ先を変更したりします。
ワーキング・ホリデービザは、自分探しのような気持ちで利用する若い人も多く、とりあえず何かトライしてみるということもできるビザなので1年間の滞在の内容も広範囲です。
ビザの滞在身分はワーキング・ホリデービザと同じでも、この新しいイノベーション・インターンシップ100は、受け入れ先の参加企業がフランスの革新的な科学技術、産業、金融、保険、美食、アート、マーケティング、マネージメント大企業であり、能力や動機などをエントリーして選抜されなければならない点が大きく違います。
フランス経済をリードするイノベーションカンパニーでインターンシップ生として、働く経験ができるというアドヴァンテージがあり、職人気質の業種で行う修行的なインターンシップとも意味合いが違います。
日本の大学のよっては、学内のインターンシップ課で、このフランスにおけるイノベーション・インターンシップ100についてもサポートしているので、大学側に相談してみるのも良いアイデアです。
ビザは、ワーキング・ホリデービザに準ずるので、最大1年期間フランスに滞在できるビザになりますが、受け入れ先が定めたインターンシップ期間は様々で、1年以内の場合もあります。
大学在学中の1年間という期間は長いのか?短いのか?フランスでのインターンシップの経験が、日本に戻ってからの就活前線にどう影響するのか、その辺りも、経験者からの話もよく聞いて、見極める必要があります。
イノベーション・インターンシップ100に挑戦するための語学力は、フランス語より英語が重視されます。フランスの企業はインターナショナルで、フランス人も職場では英語で仕事をしています。
英語の能力にある程度、自信がある人向けでもあるので、将来を見据えて、在学中は、TOEICなどのテストで常に高得点なスコアを目指し、またその英語のレベルを維持することは最低限必要でしょう。
将来、日本やフランスにこだわらず、世界で活躍したい、海外での就職を考えているなら、フランスの新しいイノベーション・インターンシップ100に挑戦してみるのもいいかと思います。
イノベーション・インターンビザ100の受け入れ先の参加企業リストは、フランス留学経験者グローバルネットワークFrance Alumniに掲載されています。
その他のフランスのインターンシップ
日本の地方自治体絡みで募集されるインターンシップなどもあるようです。フランスの都市と姉妹都市関係を結んでいる市などでそうした公募があるので、探すのも手です。ただ、募集要項によって取得するビザの種類も違うので、確認が必要です。
それぞれの都市の友好や発展のためによるもので、募集は不定期ですので、フランスでインターンシップを行う方法を探していたというより、たまたま、公募を見たので応募してみたという方が多いようです。
また、フランスで暮らしながら日本文化を紹介するというユニークなスクール・インターンシップというのもあります。
日本人がいない小さな町の学校でフランスの子供達に日本の文化を教え、現地の人との触れ合いながら働くというインターンシップ。また人に教えるということは、自分も学ぶことが多いもので、自身の世界観が変わるような体験を得られることでしょう。
毎日、全く日本語を使わない生活になるので、たまにストレスを感じたり日本語が懐かしいということもあるかもしれませんが、語学学校などにも通わず、地元の人たちに囲まれ、日本語を使わない環境に身を置くことは、フランス語がもっとも早く上達するベストな方法です。
スクール・インターンシップの情報は、とても少ないので、興味があれば、有料の斡旋業者に頼って決めてしまうのがビザ取得の上でもベストです。
フランスの地方はパリに比べて物価も安いので現地での出費も少なく、語学学校通う費用や学生ビザ取得不要なので、フランス語習得を考えると、一石二鳥ですね。
インターンシップを受け入れる側
フランス政府からインターンシップとして働く人の受け入れが義務付けられている大企業や事務所は、インターンシップ生の部門やプロジェクトも用意され、担当者から指導を受けます。
これだけ組織立っている大企業は別として、フランス人ですら、インターンシップ先を見つけることが難しい理由に、受け入れる側が、まだ即戦力にもならない人の面倒を見ている余裕がないといったところでしょう。
高校卒業後、法律を専攻して弁護士を目指して、勉強してきたフランス人の若い優秀な女性が、インターンシップの受け入れ先の弁護士事務所が年齢制限を設けていることに唖然としていました。
彼女は高校卒業後、留年もせず、ストレートに弁護士の道を歩んできたので、彼女は最年少なのに、インターンシップ生の受け入れとして制限された年齢は、彼女より若かったのです。
フランスは、完全なコネ社会です。だから親御さんの社会的クラスに支配されるので、子供が有能であってもインターンシップ受け入れ先で躓くこともあるわけです。
たとえ、また、インターンシップ先の担当者の仕事がインターンシップ生に教えることだけならいいのですが、担当者も自分の業務がありながら、インターンシップ生を面倒見なければならない、インターンシップ生に仕事を用意しなければならないとなると、内心は、面倒くさい存在でもあるようで、研修生には、毎日、出勤してもらって、座ってパソコンを見ていてもらうだけという話も聞きます。
それには、インターンシップとして働く側にも問題があります。日本の有名私立大学からフランスのエリート校の修士学位取得のため正規学生ビザで留学している日本人学生数人をインターンシップで受け入れた企業の担当者からよく、彼らの自主性のなさを耳にします。
TOIECなどのスコアも高い優秀な彼らの現場で使える英語のコミニケーション能力が低いこと、グロバール社会におけるビジネス上のスマートな振る舞いができないそうです。
これは、日本が推し進める表向きだけの高学歴グローバル化の悪い例です。
勉強することと働くということは、全く意味合いが違います。フランスの学位や研修経験という名声や肩書きばかりが先行してしまって、真の国際的ビジネス、フランスで学び働くというインターンシップの本質とはかけ離れてしまっていることが残念です。
その点、職人的技術の見習いとして働くインターンシップの日本人は、無遅刻無欠勤で、勤勉、ヴァカンス不要、その上、器用なので、受け入れ側から、戦力として重宝がられることも多く、ビザが切れ、日本に一度帰国した彼らの就労ビザを取得に協力してくれる例も報告されています。
まとめ
フランス人がキャリアを実現するためには、インターンシップ制度は必要不可欠で、大学などの高等機関で勉強するフランス人学生も、ビザを取得し、外国でのインターンシップ研修に参加します。フランスの大卒生は、こうした国際的な履歴書でなければ就職できないご時世です。
日本人がフランスでインターンシップを行うといっても、その種類も様々で、それに伴うフランスに滞在するためのビザも複雑ですね。
日本は、国際化を推し進めていますが、フランスのようにインターンシップの重要性が浸透していないので、まだ、インターンシップの経験がなくても就職できないということはありませんね。
新しいイノベーション・インターンシップ100などは、受け入れ側のフランスは、フランスの優れたトップレベルの会社企業を見てもらうというフランス側からのメッセージ性の強い宣伝のようなニュアンスも感じられます。
今後は、日本に帰国したイノベーション・インターンシップ100経験者からのビザ取得方法や終了後の具体的な進路先や意見、アドバイスなどの生の声に注目したいと思います。
フランスというと、専門職のシェフ、ソムリエ、パティシエ、服飾デザイナーなどの見習いインターンシップに人気が集中します。
こうした仕事の本場、フランスでインターンシップを行うことは、スキルアップだけではない意味を持ちます。
日本帰国後、または、他国に行く場合でも、「フランスで学んだ」、「パリで修行した」というと、自身のキャリアの箔ずけになる点がとても大きいので、ビザ取得が難しくてもフランスのインターンシップにトライする人は多いのです。
日本だけでなく、フランスが持つ歴史と伝統、フランスのイメージは、国自体がブランドです。職人的な専門職のインターンシップの体験だけでなく、フランスの企業でインターンシップをした経験は、グローバル化に遅れている日本の社会では、自分を高く売るためのプラスに作用させることもできます。
日本社会にとっては、フランスは、まだまだ、おフランスで、敷居が高く、知らないことには踏み入れないような風習もあるので、逆を言えば日本では、こうしたフランスを代表する大企業でも認知度が低いという場合もあります。
日本人の国際化は表向きで、本質は保守的で、国際化=アメリカを基準に判断しますので、フランスでの企業インターンシップは、その後のメリット、デメリットをよく考えなくてはなりません。
イノベーション・インターンシップ100などを申し込む際には、フランスならでは企業、日本での知名度なども十分に考慮することも、日本でのキャリアを考えるなら大事なことだと思います。
フランスでインターンシップできるビザが取れても、ステイタスは、あくまでも研修、見習いなので、大企業の研修生として働いたからといって、十分な収入が得られるということはないことが前提です。報酬額も受け入れ先によって異なります。
なので、フランスのどんなインターンシップに参加する場合でも、自前の資金調達は、必要と考えておいてくださいね。
でないと、研修の受け入れ先があっても肝心なフランスに滞在できるビザが下りないということになりかねますから。
フランスでのインターンシップは、種類によって申請も複雑で面倒なビザの手続きもありますが、これからチャレンジしようと考えている方は、ぜひ、自分の将来のキャリアプランにとって有意義なインターンシップを経験して欲しいと願っています。