パリの旅行コーディネーターとは?【プロが教える】

海外在住の多くの日本人が○○コーディネーターという肩書きの仕事をしています。

実際に、私、自身も、パリでコーディネーターをしていますが、コーディネーターの仕事は、種類も多く、広範囲に及びます。

今回は、現地を知り尽くした立場から、パリ旅行コーディネーターの仕事について、綴っていきたいと思います。

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旅行コーディネーターという資格

サトミーナ
こんにちは!パリのコーディネーター・サトミーナです。(@SatominaS)

日本の旅行業界での資格というと、旅行業務取扱管理者、旅程管理主任者は別名、ツアーコンダクター・添乗員が有名です。

これらの資格が必ずなければ、旅行会社で働けないということはありませんが、旅行業界で働きたいと思うのであれば、取得しておいたほうが良い免許でしょう。

特に大手の旅行会社主催のツアーに限っては、ツアーコンダクターの資格がないと添乗員として働くことができません。

また、2005年から旅行コーディネーター(トラベル・コーディネーター)という新しい技能資格制度が作られました。

旅行コーディネーターの資格を取得するには、英検2級程度の語学力が必要です。そして仕事の内容は、国内外の地理や観光地などに関心があることは、もちろんで、また、接客するのが好きな人材が求められているようです。

旅行好きで、人の相談に乗ったり、アドバイスしたりするのが得意なサービス精神が旺盛な人にとっては、適職なのが旅行コーディネーターかもしれません。

また、他にもインターネット旅行情報士という資格があります。これは、インターネット上の複雑な旅行情報を効率的に検索できる、旅行業務におけるIT操作の資格です。

以上の旅行業界におけるこれらの資格取得方法は、オンライン試験で済むものから、実務経験(添乗員)が伴わないと受験できないものもありますが、資格取得後は、ほとんどの方が、日本の旅行会社、鉄道会社、航空会社、バス会社、または、ホテル、観光案内所、ツアーオペレーターなどで働いています。

皆さん、大学や専門学校の専門課程で旅行観光業務を勉強されているか、通信教育などで勉強して、受験しているようです。

でも、こうした資格を取得したからといって、フランスをはじめとした外国に住んで、現地の旅行会社に勤務できるというわけでもありません。

日本での就職先からパリにも支店がある大手の旅行代理店に駐在勤務として派遣されるなどの特別なケースでないと、旅行コーディネーター資格保有者であっても、フランスのディプロム社会は、独自のシステムですから、その資格が有効というわけにはいきませんし、何より、当然ですが、フランス語ができないとパリでの旅行コーディネーターは務まりません。

日本でのこうした旅行業務の資格は、あくまでの日本国内における旅行業界でのライセンスであって、世界共通で使えるものではありません。

パリ現地採用の日系旅行会社の就職には、日本の旅行業の資格保有者や旅行理業務経験者であれば、有利ですが、当然、フランス語と英語ができないと無理ですし、現地採用には、労働許可書を取得していることが大前提です。

フランス人との婚姻関係により、滞在許可書(労働可)を取得いている日本人で、日本での旅行業の資格や経験があれば、現地日系旅行会社で働くチャンスもあるので、そうしたライフプランがある方は、資格はあった方がいいですが、最近は、パリの日系旅行会も、景気や治安の影響で、減ってきていますので、そうした業種の求人自体が多くありません。

個人旅行の強い味方が現地の旅行コーディネーター

大手の旅行会社主催の団体ツアーでパリに来て、大型観光バスに乗り、せわしなく観光名所を回る旅行ですと、スケジュールもすべて、決まっていて、ツアーコンダクターもいるので、初めてのパリ旅行ですと、安心ですから、特に、個人の旅行コーディネーターに相談したりする必要もないですね。

2度目のパリの人、パリ好きになった人、ビジネスも兼ねたパリ旅行をしたい人など。パリの街の中で、自分が行きたい、見たいもの、したいこと、などは、人それぞれ違いますの。

団体ツアーで、流れ作業的に、ただ観光名所を連れて行かれるのは、もういい!と思っている方、パリへ個人旅行したい人、リピーターの人など、魅力いっぱいの憧れのパリのファンになってしまた人たちにとって強い味方が、現地、パリの旅行コーディネーターの存在になるのです。

自分のプランを優先したパリ滞在をしたい場合、誰でもわがままに、アレも、コレも、見たい!体験したい!と思うものです。

日本にある大手旅行会社の旅行コーディネーターにもパリに詳しい、パリ担当の方もいると思いますが、現地でないと入手できない最新情報が多いのもパリで、ハワイのように、日本人が行きやすい所ではありません。

パリの小さな美術館やブティックなどは、ネットなどに記載されている開館時間や営業時間は、全くあてになりません。

一事が万事そうなので、現地の旅行コーディネーターに相談せずに、自分のペースで、パリ旅行のスケジュールを組んでしまうと、限られた滞在日数で、自分の見たいこと、したいことの実現が、ほとんど叶わないという、結果的に悲しいことになりかねます。

なんでも自分一人や友達と計画するのもいいですが、現地の人の的確なアドバイスは、パリ旅の場合は、不可欠です。

現地のパリの旅行コーディネーターは、何をしてくれるか?

まず、パリへの個人旅行のプラン、企画の提案、アドバイス、また、見学や訪問時間の確認や、先方にアポ入れ、スケージュール作り、移動に伴う交通手段の調整(チケット購入代行や車やドライバーの手配)などを、旅の前に、依頼主の要望に従ってアレンジしたりと、クライアント様のパリ旅行を一緒に計画してプランニングをすることです。

また、旅行コーディネーターとして、現地パリで、アテンドや通訳などもします。観光ガイド業とは、業務が違うので、観光名所にも同行しますが、あくまで付き添い的な役割になります。

また、クライアントさんのパリ滞在中のサポートもしてくれるので、滞在中に起こった問題なども相談にのってくれます。

ただ、旅行コーディネーターだからと言って、お客様の希望すべてを叶えることは、正直、難しいのがフランスです。

それは、コーディネーターの器量と努力にもよるかもしれませんが、何より、相手がフランスという国なので、旅行コーディネーターが予約したホテルに予約がないとか、予約したドライバーが来ないとか、アポがドタキャンされるということが、何度も、コーディネーターが確認していても、起こってしまうのです。

これが、もし、フランス語もままならないパリ旅行初心者の方に怒ってしまったら、大問題です。楽しいパリ旅行もストレスと不安でいっぱいで。台無しになってしまいます。

日本のように便利で、なんでも物事がスムーズに進まないのがフランスです。

それでも、心強い味方になってくれる、信頼のおけるパリの旅行コーディネーターさんがいてくれることは、一人パリ旅行の気がかりな不安を軽減してもらえ、旅行計画の目的を達成するには、とても重要なウェートを占めると思います。

パリで旅行コーディネーターになりたいなら

まずは、最低限、フランス語ができないとダメです。現地での人と不自由なくやり取りできる、交渉などのコミニケーション能力が高い人でないと務まりません。

フリーランス(個人事業主)として、現地パリで、旅行をはじめとしたコーディネーターをする場合、資格の有無は、関係ありませんが、個人事業登録をフランスの国に正式登録する必要があります。

また、パリはもちろん、フランスの地方、田舎や小さい街、文化などに関する知識が豊富であることも必須です。

「好きこそ物の上手なれ」というようことわざがあるように、まずは、自分自身がパリが好きで、パリやフランス国内をグルグル回って旅行をするのが趣味があれば、自然にこうした知識を身につける努力をしているものです。

そして、観光スポットだけでなく、パリの様々な場所で、顔が聞くような関係を作っておくことが、パリの旅行コーディネーターとして働くなら、最も重要な要素になります。

フランスは、日本の国土の1.5倍の広さですが、人口は、半分程度です。パリ市内、郊外や地方などを観光した場合、意外に、観光局や、レストランなどの地元の人や店員の方が、私達日本人のことを覚えていてくれることも多いのです。

そうした機会がある時は、自分自身もいつ、日本からのクライアントさんの依頼で、観光名所巡り以外のパリ旅行コーディネートをすることになるかわかりませんから、常日頃、メジャーでない地元の人に人気なカルチャー的なスポットには、敏感で足を運んでいることも大事です。

また、パリ市内も近郊の街や地方の田舎町なども、アクセス方法を確認することも大切です。例えば、個人タクシー会社なども一度使用したら、名刺などは必ず、とっておくなど、日頃から、自分のストック、引き出しをいつでもたくさんにしておくことを常に心がけられる、先へ先へと行動できる人が向いています。

今は、フランスもネット社会ですが、やはり、直接的なコンタクト、例えば、電話でのやり取りができる、現地を知っていて、顔が聞くということが、パリの旅行コーディネーターなのです。

フットワークが軽く、機転が利く人で、クライアントさんにとって非日常的なパリ旅行の様々な場面で、直面する事柄に素早く臨機応変に対応できる柔軟性のある人は、パリ旅行コーディネーターの素質があるといえるでしょう。

どうしても海外に住むと、その国の習慣などが自然と身についてしまいます。そうしないとその国々で住んでいくことはできないので、仕方ないのですが、、、

フランスに住んでいるからといって、フランス特有の文化である、お客様は、神様ではない!売ってやっている!やってあげている!という態度は、日本人の感覚とかけ離れた感覚です。

長くフランスに住むと、気がつかないうちに、そうした態度で、日本人のお客様に接するようなことになっているものです。そうならないように、常に、自分自身を客観的に見つめ、あくまで、日本人である自覚を、意識して忘れないようにしていないといけませんね。

パリ旅行コーディネーターの料金

パリで日本人に対しての旅行コーディネーターを仕事としている人は、完全なるフリーランスか旅行会社や派遣会社などと委託契約している人が多いです。

どちらも、インターネットでそうした業務を行っているサイトやブログを個人で運営したり、企業などに登録している方は、会社のホームページ上に個人のプロフィールが記載されたりで、以前のように、観光局からの依頼や知人の紹介のケースは、減ってきているようです。

ですから、日本人の方が、パリ旅行を個人で計画している場合、ネット検索すれば、すぐにパリでの旅行関係のコーディネーターや通訳はヒットします。

その料金の形態は様々ですが、事前の旅行のプラン相談や手配、予約などの業務の料金と実際に現地でアテンド通訳などをしてもらう場合があると思います。

事前の旅行のコーディネートも、項目別、例えば車の手配の依頼で、手配予約手数料の料金が細かく発生する場合もあれば、パリ旅行事前プランコーディネートというトータルでお客さまの要望に合わせて最終的なスケジュールまで作成するというトータルパック料金提示などがあります。

日本人が慣れている日本のお客様サービスを考えた場合、こうした手配や予約業務は、簡単なことであって、ちょっと先方に聞いてくれればいいだけ!みたいな感覚で考える方がほとんどです。

ですから、そういう日本的サービスに慣れていると、パリ旅行コーディネートの金額は、割高に感じるかもしれません。

また、実際に、時間の拘束、アテンドなどの同行ですと、1日あたりの日当になります。当然、企業やエージェントに依頼する場合は、幾らかのパーセンテージ手数料を企業側も上乗せしていますから、料金も若干高めです。

日本の物価や税率で考えると、パリ旅行コーディネート1日、数万円という日当を提示を見る限り、なかなかの高額に見えるものです。

だからと言って、現地のパリ旅行コーディネーターの仕事は、条件がいい、高収入だ、割がいい、と思ってしまうのもどうかと思います。

私たちがパリで暮らしている中で、フランス企業の通訳エージェントなどの一般的な料金も、フランス語⇄英語などの通訳に比べ、フランス語⇄日本語の通訳や翻訳は、英語の倍の料金設定になっています。

フランスでは、日本と時間の流れが違うと言いますか、業務作業ができる時間が限られています。日本で、電話1本で片付くような案件、例えば、営業時間の確認も、フランスだと、電話しても、担当の者と話せない(担当でないとわからない)、電話に出ない、通話中に途中で切られるなどが起こり、最低、同じ電話番号、同じ案件で、3回は、電話をかけるという始末です。

物事の基準を日本ベースで判断することになると、こうしたその国、フランスの事情もわからないということになってしまいます。パリの物価は、東京の比では、ありません。それは、旅行してみてわかると思います。安いのは、ブランドものと乳製品だけです。

そういう視点で見れは、パリの旅行コーディネーターの適正料金もわかりづらいものです。

顔を見たこともない遠くのパリの日本人に旅行コーディネーターをお願いして、お金を支払うことになるので、不安になってしまうの当然ではないかと思います。

パリ旅行コーディネーターを依頼するときの注意点

私のクライアントさんから聞く話でもあるのですが、これほど多くのネット情報があって、フランスに関係する日本人掲示板やサイトなどで、パリ旅行コーディネートします!などのアナウンスを出している人も多い状況なのに、実際に、日本のクライアントさん方がメールで問い合わせしても、そうした広告主から全く返事がないという割合が多いというのです。

確かにパリの通信事情は日本ほど良くありませんが、メールが届かないことがそんなに頻繁にあるとは思いません。

たとえ、仕事をお受けすることができなくても、何らかの返事をメールで返してくれる最低限のエチケットもない人もいるので、そういう人は、当然、依頼の対象外にしていくべきで、後追いのように何度もメールする必要はないかと思います。(フランス人は、メール返信する率は悪いですから、フランス的といえば、そうなのかもしれませんが)

パリでの旅行コーディネーターをお願いする前に、無料でスカイプや電話などでお話しできるサービスをしてくれるかどうかも選ぶときのポイントになるかと思います。

声を聞いたり、話してみると、何となく、自分とのフィーリングや信頼できるかどうかの感覚が自分なりに判断できます。

時間や料金も相談に乗ってもらえるかも大事ですね。ただ、何でもかんでも安くしてほしい!と安さばかり考えるのであれば、こうしたサービス、パリにおける旅行コーディネーターを依頼すること自体をやめて、ご自分でプランや予約、手配をしてみることをお勧めします。

パリの旅行コーディネーターにお願いしていれば、できたこと、可能だったことがあったとしても、お金にこだわる、高いか安いかにこだわるのであれば、こうした目に見えない価値に対して、どうしても後々、不満が出てくるからです。そこに価値があるか、ないかの判断は、人ぞれぞれです。

私自身、コーディネーターとして仕事を受ける側ですが、私も、今までにネット上で検索し、お会いしたことのない様々なを仕事をしている日本人のコーディネーターやコンサルタントに仕事を依頼しています。

その時に、どんな結果になっても、選ぶのは、私自身であることにブレがないので、また、自分を含めて、100パーセントはないと思っているので、支払っているのだから、、、などという過度な期待はしません。それでも、こちらが信頼していれば、相手も必ず、返してくれると思っています。

私そうですが、個人で仕事をしていると、明日のことは、わかりませんね。日本でも旅行会社が倒産して、先払いしていた旅行がパーになってしまったとか、返金なしという問題がニュースになっていますね。

最低限、返金やキャンセルに関しての規約をしっかり提示しているかどうかも、旅行コーディネーターを選ぶ時にしっかり確認してください。

まとめ

さて、今回は、パリの旅行コーディネーターについて、自らの立場も踏まえて、依頼する側、依頼される側の二つの、視点からお話しさせていただきました。

パリが好きで、将来パリに住んで、旅行コーディーネーターとして独立して仕事をしたいと思っている方もいるかもしれません。

パリでの旅行コーディネーターの仕事は、語学の習得意外に、現地での修行、経験が必要です。資格もないですから、これができれば、なれる仕事でもありません。

逆に、在仏日本人の中には、パリでの生活の長い積み重ねの中で、自然にいつしか旅行コーディネーターとして仕事するようになられた方々もいます。

パリに詳しい、フランス国内をよく知っているだけではなく、最終的には、コーディネーターの仕事は、人や物事の調整役ですから、何よりも人との関わりや付き合いが極めて重要です。

素質の問題もありますが、根本的に大事な人間性や行動力があるなどの適性に合えば、これからも需要があるパリで旅行コーディネーターとして活躍していくことができると思います。

パリには多くの在住日本人がいますので、日本人の旅行コーディネーター同業者も多く、競争も激しいのが現実です。

そうした現状から見ると、フランス語もできるのであれば、まだ、パリで旅行関係の仕事の経験がなくても、パリで、フランス政府公認の日本語ガイドの免許取得をされるのがいいかと思います。

公認ガイド資格を取得すると、パリの旅行コーディネーターとしての仕事の幅もグッと増えます。旅行、観光に特化したパリのコーディネーターとして、これから必要なディプロムでもあると思います。

パリ旅行でコーディネーターをお探しの方は、こちらのブログのお問い合わせのページからご連絡いただければ幸いです。

また、こちらのホームページを参考にしてくだい。                         ↓

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