フランスでは、大学生や専門学校生は、国が定めたインターンシップ制度の規定に従って、学位取得の為に、見習いや研修をすることが義務となっています。
では、インターンシップは、アルバイト(労働)ではないので、有給ではないのでしょうか?
今回は、日本人がフランスのインターンシップで有給で働くケースについて、お話したいと思います。
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フランスのインターンシップ規定
国が定めるインターンシップのガイドラインは、2ヶ月以上のインターンシップを行う場合は、有給と定められています。
フランスの学生の必須科目としてインターンシップ期間も様々ですが、フランスの労働法におけるインターンシップの期間は、1年の教育年度内で特例は別として、最高6ヶ月間、トータル時間として924時間と定められています。
一定の目安として、1日フルタイムの7時間で、最低時給3.6ユーロ(2017年4月現在)を44日間の2ヶ月インターンシップで働いた場合から有給となります。
また、1日7時間未満の場合は、インターンシップを行った合計が308時間以上で有給の対象とされます。
インターンシップの受け入れ先は、インターンシップ生は、労働者の雇用ではないので、雇用に伴う企業の社会保障負担が一定の条件で免除される仕組みになっています。
日本からの留学生で、マスター(修士)の学位を取得する為の必須であるフランスでのインターンシップを探し始める前に、こうしたフランスの労働法におけるインターンシップ規約や有給に関して知っておくといいでしょう。
ただ、現実には、コネもない日本人である外国人留学生が、受け入れ先を見つけることが大変ですので、まずは、学位取得を優先の為のインターンシップありきと考えるようです。
フランスの修士課程の大学院は、授業は英語のケースも多く、フランス語ができない日本人留学生も多いのです。当然、フランスの国の制度は、すべてフランス語でのやり取りになります。
フランス人学生ですら、細かいフランスのインターンシップにおける有給か無給などの労働法などを詳しく理解するこは、難しいですから、言葉の問題がある日本人の場合は、尚更、難しいわけです。また、こうしたフランスの法律、特に労働法は、よく変わります。
インターンシップ募集における有給インターンシップ
上記で述べたインターンシップのフランスの労働法規定の内容がわからなくても、日本人がフランスで行いたい人気のインターンシップは、やはり、本場フランスで技術やスキルを学べるシェフ、ソムリエ、パティシエ、デザイナーなどの専門の職種です。
この場合のインターンシップは、あくまで修行であって、働きながら技術を学び経験を積むことが目的です。このケースのインターンシップで、有給か無給かばかりにこだわってしまうと研修できる企業がないことにもなり兼ねません。
多くの料理学校や服飾学校が留学インターンシップ制度のプログラムを取り入れています。
こうしたお膳立てされているプログラムは、留学先の学校で学び、その後、学校からの斡旋で現地でインターンシップの経験をすることができます。
日本帰国後にその経験を最大限にPRすることで、自分の進みたい業種や業界での就職の可能性が大きく広がるわけです。
ですので、こういったインターシップは、フランスの専門学校を卒業し本場で研修することが、将来の自分への投資となるわけですから、そこに有給のインターンシップなのか?お金はもらえるインターンシップでないと嫌だ!のような考えは生まれないと思いますが、、。
中には、こうしたインターンシップ先からお礼程度の賃金がもらえることもありますが、稀です。
こういったインターンシップを目的としている人は、タダでいいから、フランス滞在中の一定期間の間に、技術の取得とキャリア経験を積みたいので、有給か、無給かにこだわることはありません。若ければ、それぐらいがむしゃらでないとものにはならないように思いますね。
こうしたインターンシップで働く場合は、専門学校のインターンシップ付きのプログラムに留学するか、フランス料理、パティシエ、ワイン、フラワーアレンジメントなど本場フランスで、そのような専門職のインターンシップ先を斡旋している有料のエージェンシーに頼む方法があります。
知り合いも、コネもなく、フランス語もできないのであれば、自分でインターンシップ先を見つけ、有給か無給かなどを研修先に問い合わせることなどできません。
また、滞在のトータルケアをしてもらえる小学生・中学生・高校生の留学なら留学の【ネクシスジャパン】のような斡旋業者を利用して、手間を省いてしまう方が断然ベターだと思います。
ワーホリで働くなら当然有給になる
日本人で30歳以下であれば、ワーキング・ホリデーのビザを取得して、フランスで働くことができます。
フランスのワーキング・ホリデーは、1年間のフランス滞在が可能で、その期間内で、就学期間や終了時間が決まっているわけでもなく、他の国のワーキング・ホリデーに比べてもかなり自由とされています。
自分のプランに合わせて、働きながら有給で、フランス語を学ぶ為の学校に通ったり、旅行に行ったりと1年間、自分の将来のためにも、フランスをフルに楽しめるわけです。
ただ、ワーキングホリデーで就労する場合、何に目的を置くかによって、その意味合いも広範囲なものになってきます。また、ワーホリの人を企業も簡単に雇ってくれるわけでもありません。
多く見られるケースとして、すでにパティシエやフランス料理などの仕事の経験がある30歳以下の日本人であれば、がワーキング・ホリデー労働資格者を雇ってくれるレストランなどはあります。
それは、インターンシップ生ではなく、有給で働く見習い従業員として、現場の経験を積むとことができるといったところでしょう。
ワーキング・ホリデーで労働する場合は、有給となり、フランスの国が定める最低賃金SMIC(スミック)の時給は、2017年4月現在は、1時間9.76ユーロ(額面)、手取り7.58ユーロ(手取り)の給料を受け取ることができます。
フランスは、社会保障費の負担も高く、住民税、テレビ税なども支払う義務があります。ワーキング・ホリデーの労働時間は、フランス人と同じように、労働法で決められた週35時間以内となっています。
正直、ワーキング・ホリデーのビザを取得し、フランスでの労働が可能となって、有給で働くことができても、この最低資金(SMIC)では、物価高のパリでは、生活していくことはできないので、ワーキング・ホリデービザ取得の際に、銀行口座に一定の残高額がある証明が必要になります。
でも、このワーキング・ホリデービザによるフランス滞在も、自分の目的がはっきりしていて、その職種の経験とコネクションがあれば、有給でインターンシップのように働き修行を行い、最低賃金を得ることができるわけです。
例えば、料理人、パティシエ、フラワーアレンジメントなどの仕事経験のある日本人のワーキング・ホリデーの受け入れに積極的なフランスの企業も増えています。
ただ、ワーキング・ホリデー取得者は、労働者の枠組に入るので、学生が社会に出る前に行う職業訓練的なインターンシップとは、本質的な意味合いが違ってきますので、やはり経験者が望まれるところで、また、同業者の先輩などからの口コミや知り合いの紹介等で働き先を見つけています。
日本人は、勤勉ですし、真面目なので、有給で、最低賃金の給与を支払うなら、フランス人より便利で使いやすいとされワーホリを積極的に受け入れるところもあれば、専門学校からの斡旋ルートのみでインターンシップ生しか受け入れないところなど様々です。
ワーキング・ホリデーでフランスに滞在しながら、働いた経験もない専門職の修行やインターンシップすることは、コネも知り合いもいない場合は、大変難しいです。
ワーキング・ホリデーの1年間は、長いようで、あっという間です。フランスは、ヴァカンスも多く、実質、企業やサービス業が稼働しているのは1年のうち10ヶ月ほどですから、ワーキング・ホリデーでパリに来てから自力で働く先を見るけるのは、時間が足りません。
経験やコネがあれば、ワーキング・ホリデーで渡仏の前に、働く場所が決まっていることもありますし、現地でそうしたを探し、雇用される可能性もあります。
ただ、本来、企業がインターンシップを受け入れる場合には、学校や斡旋業者の署名も必要になってくるので、ワーホリ滞在者がそうした学校に通っていない、機関にお世話になっていないのなら同じ研修の意味があってもインターンシップにはなりません。
インターンシップとは本質的に違うワーホリ
ワーキング・ホリデーで働く場合は、フランスの労働基準法に従って、フランス人と同様に有給休暇の保証もされています。
フランス人の人生にとって、もっとも重要なウエイトを占めるのがヴァカンスであって、彼らは、アルバイト雇用であろうが、有給を堂々と取りますし、雇用側も、従業員に有給を取らせることが義務付けられています。
ワーキング・ホリデーの受け入れ先企業は、フランス人が我先に有給休暇を申請するので、雇用主側が、レストランやショップですと出勤者と有給休暇中の従業員のローテーションを組むのも一苦労だそうです。
その点、日本人のワーキング・ホリデーは、フランス人と違って、有給を頻繁に申請しいので助かると聞きます。
でも、本当は、日本人のワーキング・ホリデー就労者もフランス人同様、有給をとって、1年間の滞在中にフランス旅行を楽しんだりできるわけです。
有給のインターンシップを受け入れない
2ヶ月以内のインターンシップであれば、有給にならないフランスのインターシップ制度。これを悪用して、インターンシップの受け入れを2ヶ月以内と制限しているところもあります。
フランス人は権利を主張する国民です。だから、見習いであろうが、研修生であっても、こうしたインターンシップで働く場合、自分たちの権利が保証されること、労働時間厳守や有給は当然と考えています。
それでも企業側は、この法律をうまく利用し、2ヶ月以内のインターシップ生の受け入れだけを行っているところもあります。
職種的には、研修しながらスキルを学ぶような技術的専門職が多く、1〜2ヶ月のフランス滞在中のうち1〜2週間ほどのインターンシップ研修を希望する日本人もいます。
こうしたインターンシップ生は、フランス語ができないことが多いので、大概の場合、在仏日本人が経営するショップ、アトリエや企業でインターンシップを行っています。
皆さん、斡旋業者を通さず、各自ネットなどでこうしたインターンシップ先を見つけているようです。
こうしたケースの多くは、手作りハンドメイド系のクラフトやアクセサリー、フラワーアレンジメントなどをお教室で教えている先生に短期間習いながら、その先生のアシスタントをするような内容のインターンシップです。
この場合は、あくまでも教えてもらうので、先生に授業料を支払うことになり、有給のインターンシップということにはなりません。
フランスのインターンシップで有給かどうかより大事なこと
上記でワーキング・ホリデーとインターンシップの違いを明確に述べましたが、フランスでは法律的にインターンシップを行う場合は、研修協定書が必要となります。
これは、フランスの大学に正規留学して学位取得などでインターンシップを行う場合は、本人と学校側と受け入れ先の三者の協定書にサインすることになっています。
大学に在学していれば、インターンシップの受け入れ先さえ決まれば、こうした書類の手続きは、割とスムーズにいきます。
また、専門学校に在籍している方や留学&研修斡旋センターに申し込んだ方も、こうした協定書を用意することは、受け入れ先さえ決まれば、比較的に楽にできます。
問題は、それ以外のケースで、例えば、ワーキング・ホリデーでフランスに滞在中に、インターンシップをしたい時です。
1年間の自由の滞在権利を与えられるワーホリ滞在ですが、アルバイトのように就業することは、雇ってくれるところがあれば、全く問題がないのですが、もし、働きながら学びたい希望の職種があって、そうした職場が見つかっても、インターンシップ生しか受け入れていないこともあるからです。
ワーホリ滞在者で、専門的な学校などに通っていれば、学校側に、このような協定書を作ってもラウことを頼めますが、そうした学校にも通っていなければ、インターンシップ紹介所に申し込んでいなければ、三者協定が成立しません。
こうした契約書を結ぶことによって、インターンシップをする上での保険の問題もカバーされますし、手当や有給に関しても書かれています。又、何より、フランスの企業で研修と行ったという証明ができます。
フランス語では、インターンシップのことをスタージュと言いますので、こうした、本人、学校、受け入れ先の会社、この3者が署名する契約書を「CONVENTION DE STAGE」=コンヴァンション ドュ スタージュと言います。
まとめ
インターンシップとは、、あくまでも研修であって、学生が、職業に就く前に、自分が専門的に勉強してきた分野で見習い、働く経験をすることです。ですから、インターンシップに参加する人は、当然、若い人たちです。
フランスのインターンシップの規定では、2ヶ月以上の場合は、有給とされていますが、その報酬額も少ないので、有給でインターンシップができても、フランスで一人で暮らすこと、できません。
インターンシップ生を有給で雇う予算がない企業も多く、有給を避けるために2ヶ月以下でしか研修を受け入れないということもおわかりいただけたたかと思います。
30歳以下の日本人が取得できるワーキング・ホリデービザで、フランスに滞在して働く場合は、研修、インターンシップの類ではなく、就労で有給になりますが、最低賃金では、フランスでの生活は、難しいです。
また、日本人がワーキング・ホリデーのビザを取得し、本場で有給で働きながら経験を積むケースの人たちの多くはシェフなどで、彼らは、すでに日本でその仕事の経験もありコネもあります。
ですから、特にインターンシップの契約書を必要としないケースも多く、彼らは、ワーキング・ホリデーで有給で働きながら、次のステップとして、日本に戻った後、再度フランスに帰ってきて正式雇用で働くなども視野に入れて、行動しています。
又、日本とのコネクションもキープしているので、ヘッドハンティングのよう話があれば、日本に帰国していきます。
フランスでインターンシップで働く経験をしたい場合、特にその職種が未経験の場合は、有給か無給が重要なポイントではありません。例え、それが、ワーキング・ホリデーであってもです。すべて、将来のための自己投資です。
ワーキング・ホリデー、学生、インターンシップでフランスに滞在するためのビザ申請には、フランスで滞在できるだけの一定の金額が銀行口座あることを証明をしなければなりませんから、フランスでインターンシップしたいと思うのであれば、まずは、何よりも経済的にもそれができる環境でなければなりませんね。