フランスの医療制度と医療レベルと問題点!

新型コロナウイルスの感染が猛威を振るう中、医療破壊が起きてしまったフランス。今回は、私が普段からお世話になっているフランスの医療制度について、利用者目線で、気になるところや日本との違いなどをブログでまとめてみたいと思います。

これからフランスに行かれる方や滞在される方にも役立ってもらえれば嬉しいです。

簡単にわかる!フランスの医療制度の仕組み

こんにちは!パリのコーディネーター・サトミーナです。(@SatominaS)

フランスの医療制度は、フランス連帯・保健省の管轄下にある社会保険制度の中のひとつです。私たちは医療、年金、家族や家賃手当などの社会福祉など、それぞれの管轄に保険料を納め、そしてそれらの制度を利用しています。

フランスで加入が義務付けられている公的な医療保険、Sécurité Sociale =セキュリテ ソシアル(通称:SECU=セキュ)が、日本の医療保険制度の会社員が加入する社会保険と国民健康保険にあたります。

以前は、個人商店オーナー、医者、弁護士、アーティスト、フリーランスなどの個人事業主は、SECU=セキュの管轄ではありませんでしたが、今では、すべてセキュ=SECUに吸収され一括になりました。

まず、フランスに留学などで長期滞在をする場合は、日本のフランス領事館で、それぞれのVISAを取得してから、フランスに向けて出発、入国後、移民管理局でVISAを提示し、滞在許可書を申請して取得します。

そしてその後に、このセキュ=SECUの加入の手続きをすることになります。フランスの医療制度のセキュ=SECUに加入すると、顔写真入りの緑と黄色のプラスティック製のカードのCarte Vitale=カルト ヴィタルと言う保険証が交付されます。

この3ステップだけで、とにかくやたら時間がかかるのがフランスですので、やっと取得できたと思ったら、1年の留学が終わるところだった、、はよくあるある話です。

この辺の手続きについては、在仏日本人の経験談ブログがたくさん出ていますので、自分のケースに近い方や、手順が書かれているものを参考にしてみてください。

フランスの医療制度制度について、詳しく出ているブログとして、「フランス/パリ滞在質問箱」のリンクを紹介しておきますね。

フランスの医療制度の日本との違いや特徴

フランスの病院や診察は予約制

病気になったら、医師とアポを取る予約制です。病気になったら予約を取るので、日本のように、「調子が悪いなぁ、具合が悪いなぁ」と思って→明日(これから)、医者に診てもらうというようなことはできません。

最近は、ネット予約も出来き、空き具合によっては、当日の診察が可能ですが、そうそうそんなケースはありません。何をするのでも、時間がかかるので、まず、医師の診察にこぎつけるまで、時間がかかると思っていた方が良いです。

そして、完全予約制で、予約時間に行っても、待合室でかなり待たされてしまう医師のキャビネ(診察所)もあります。

払い戻しの医療制度

保険診察や検査などを受けた患者が医療機関に自費を払い、後日、75%〜85%ほどが保険で払い戻しされる仕組みです。

この払い戻しの率は、医者のカテゴリーによって異なるので、婦人科、皮膚科や歯科など専門医になると、自費の設定が高く、保険の戻りの率が低くなります。

自費診療のみの医療機関もあるので、受信の前に、フランスの医療制度の保険承諾医師 (メドゥサン コンヴェンショネ =Médecin conventionné)かどうか、また、保険承諾医師なら、セクター1か2(2の方が専門医で料金も高く、払い戻し率も悪い)を確認することをお忘れなく。

こうした払い戻し手続きも自分ですることになるのがフランス。最初に自費で建て替えるので、返金まで時間もかかることもあるのが、ここフランス。

そんな面倒な払い戻し手続きはしたくない、最初から3割負担で診察してもらいたいなら、診療所タイプの医療機関を受診することをお勧めします。

こうした診療所は、パリに幾つかありますし、施設によっては、診察科も内科以外の耳鼻咽喉科、眼科、皮膚科などがあります。パリのサンジェルマンの語学学校、通称パリカトの近くにある、Institut Arther Vernes (アンスティトゥ アーチュー ヴェルヌ) などが有名です。

フランスの医療制度は、完全に分業制

薬は処方箋をもらって薬局で購入。レントゲンや血液検査なども医師に処方箋を書いてもらい専門機関に行くことになります。

これが、また、なんせフランスです。時間と手間がかかかるという問題点があります。これは、かなり面倒です。

また、かかりつけ医制度が導入され、一般内科医を自分のホームドクターとしてSECU(セキュ)に登録する義務となっています。

基本的には、まず、かかりつけ医に診察してもらって、そこから処方箋をもらって専門医に回される(自分で予約を取る)感じです。

一般内科医でも、日本より幅広い専門的なところまで診てくれます。今までに、かかりつけ医で子宮頸がん細胞診テスト、アレルギー皮膚炎、中耳炎、甲状腺などを診てもらっています。

より専門的な診察や治療が必要ならスペシャリストを受診するプロセスですが、個人的には、ダイレクトに専門医に診てもらう方が早いかと思っています。(予約に時間がかかるのが問題点ですが) 逆に、私は、かかりつけ医は、補佐的役割のように利用しています。

民間の補助的医療保険に加入

また、国の健康保険で払い戻しにならない部分などを補助する役目の民間の保険会社による医療保険のMutuel=ムチュエルがあり、ほとんどの国民はこちらも加入しています。

フランスの中小企業、従業員が一人でもいれば、雇用主側がムチュエルに加入し雇用者に提供することが義務で、雇用者もムチェエルの保険料を払い、実際に診察や治療を受ける際に使うことができます。

国の健康保険のSECU=セキュだけでは、正直、医師の選択肢も狭まり、払い戻し率も一般内科医以外は、決して良いとは言えない問題点があるので、フリーランスや個人事業主も、各自でこうした民間の医療保険に加入しています。

民間の保険なので、高額な保険料も支払うタイプなら払い戻し率も良いですし、カバーされる内容も充実しています。

大企業の従業員や公務員は、やはり福利厚生が充実しているので、雇用側の保険料の負担は大きくても、払い戻し率と特約の良い民間の医療保険(ムチュエル)に加入しています。もちろん、雇用者側も毎月、公的医療保険と私的医療保険料は給料から天引されます。

私の場合、個人事業主なので、自分で選んで、加入しいている火災保険会社で取り扱っている医療保険(ムチュエル)に入っています。

今までに、私立のクリニックでの出産(公立の病院であれば無料)から、怪我や病気での入院、眼鏡、歯の矯正、整体&カイロプラティックなどの治療でムチュエルを使ってきました。子供が小さい時などは、その時々で、保険料をあげて、使える内容をUPさせたりしてきました。

夫婦共働きが基本のフランス。(事実婚を含む)みんな、子供の公的医療保険と私的医療保険は、父親か母親のどちらか得な方の扶養入れていますね。

フランス経済の特徴と問題について!フランス一般家庭経済の実態

2020.02.03

フランスは、個人商店であっても、パートタイム(例外あり)や契約社員がいれば、雇用主として、従業員の公的と私的の健康保険料を支払います。また、それ以外の社会保障の支払いもあり、雇用側の負担はとても大きいです。だから、簡単に人など雇えない=失業者が多いという問題点もあるのです。

ムチュエルに加入していると払い戻しでなく、そのままキャッシュレスで受診や検査ができる機関もあるので、煩わしい手間が省ける利点もあります。

フランス医療制度:CMUやAIMって何?

自由、平等、博愛、の理念を持つフランスは、1999年、ジャスパン首相時代に、週35時間労働の政策を始めとする様々な新しい制度が生まれました。その中のフランスの医療制度の新しいシステムが、CMU(セ エム ウ)です。低収入所得者には、保険料の納付免除と無料で医療機関が受信できる資格です。

基本的に、フランスの医療制度の下、保険承諾医師は、歯医者なども含め、CMUの患者を受け入れることが前提となっていますが、それあくまで建前。実際には、多くの専門医や当然私立のクリニックではCMUの患者を受け入れていません。

保険承諾医師(コンヴェンショネ セクター1)の一般内科医だと、CMUの患者を受け入れているところが多いので、予約時にCMUを受けてもらえるか聞く必要があります。

このCMUの手続きは、セキュ(SECU)で行いますので、このような支援が必要な求職中で収入がない少なければ申請する権利があります。

扶養家族の人数と、収入の上限などの制約があります。また、CMUの資格保持者は、受け付けてくれる医療機関によっては、キャッシュレスで診察を受けることができるようです。

また、移民の多いフランスでは、サン パピエ( Sans papiers)と言う、正式な滞在許可書を持っていない不法入国外国人もいます。そうした人たちにも、自由、平等 博愛の理念から、フランスの医療制度として、保険料の納付などなしに、医療を権利、 AME( aide medicale etat)と言うものも存在します。

日本人でもこのAMEの資格を取得し、フランスの公立病院で出産した人などもいますが、無料だからどうの?と批判するつもりはないですが、子供を産み親になるのであれば、手続き上、きちんとしておくことが重要だと思いますので、あまり、褒められたケースではないですね。ちょっと、困ったちゃんです。

フランスの医療レベルってどうなのよ?

はっきり言って、フランスの医療レベルは高いと思います。いい加減で働かない、ヴァカンス好きのイメージのフランス国民ですが、フランスの医療レベルは悪くないですよ。

フランス在住の日本人医師もそのように言っていますし、実際、多くの医学関連の学会が開かれ、日本からも多くの医師がフランスを訪れています。

私は、医療専門家でもないので、あまり勝手なことは言えませんが、産婦人科、麻酔科、整形外科などの分野に関しては、フランスは日本より進んでいると聞きます。

出産においては、無痛分娩が推奨されています。フランスの出産の90%近くが、妊婦への負担が少ない無痛分娩です。日本で言われる産みの苦しみがなければ親の資格がない!のような風潮はありません。

無痛分娩による妊婦の産後のリカバリーが早いとされ、入院期間も短くて済みます。私も退院後、自宅に戻ってから、すぐに、普段の生活に戻りました。

妊婦は、担当の麻酔科医を産婦人科医から紹介され、出産前に麻酔科医の受診を受けます。また、フランスの病院には、365日24時間で、麻酔医師が常駐しているので、麻酔を使った分娩が可能なのです。全身麻酔ではないので、私は、朝のテレビのニュースを見ているところで出産となりました。(笑)

患者として、フランスの国立病院や高額医療で有名なプライベートの病院、クリニックなど、通院や入院の経験がありますが、はっきり言って、豪華な設備や快適さには、違いはありますが、必ずしも、高級病院だから、医療レベルが高いとは言い切れません。

日本人医師がいるパリ郊外にある高級病院などの専門医は、そこの病院の診察室を週に何日かレンタルして診察しているケースが多く、メインに自分の診察室を他に持っていたり、国立の有名な病院で診察や手術をしているをこともあります。

ですから、一概に、高級病院だから一流医療レベルで治療してもらえるとは言い切れないと思います。フランスの病院のほとんどが公立の病院ですから、有名な名医も診察や手術をしていますので、この点で医療レベルが低いということでもないのです。

フランスの文化や習慣の特徴をピックアップしてみた【日本とはここが違う!】

2020.02.05

今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が広がり始め、真っ先に、マクロン大統領が視察したのが、私も通院しているパリの13区にある、大きな国立総合病院、ピティエ=サルペトリエールです。

この国立の大病院は、多くの著名人も治療を受けていることで知られています。故シラク大統領はペースメーカーの手術をここで受けていますし、交通事故で運ばれてきた故ダイアナ妃も亡くなっています。

公立だから医療レベルが低いというより、フランスも名医と呼ばれる医師に診てもらえるか?その名医を紹介してもらえるか?どこの病院にいるのか?ということがポイントです。

病院が公立か私立か、総合病院か高級病院より、医療レベルはやはり良き縁に恵まれるということ。医師によっては、予約なども優遇してくれますし、、この点で大きく違うのがフランスの医療制度だと私は思っています。

私は、長い間、このピティエ=サルペトリエール総合病院の消化器内科の専門医に診てもらっていますが、この先生は、16区に自分の診察室(キャビネ)も持っていて、週2回ほど、国立の大病院で診療しています。無理を言えば、超スピードでどちからで診察してくれます。

同じ病気で日本でも診てもらっていますが、この先生の診断をみていると、日本より革新的な新薬による治療法をためらわずに、使われるような印象があります。

また、私のフランスの担当医は、日本では行われないような検査も、必ず、検査をするようにと、検査処方箋を出します。

一度、日本で、同じ検査を受けたいと日本の専門医に相談したところ、「それは、必要ない、、、」とやんわり断られましたが、よく調べてみると、高額な医療費になるからか、多分、日本医師会が検査をしたがらないのだと思います。

フランスの先生は、「その検査結果がないと、本当の病状は、正確に判断できないよ!」と言います。今では、医療専門家でなくても、ある程度のことは、ネットで調べられるので、フランスの先生の判断は正しいような気がしますが、、日本は、どうして検査をしないのかなぁ?って思います。(涙)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の爆発感染が始まった頃、フランスのヴェラン保健相保健大臣は、「コロナウィルス感染が疑われる症状が出た時には、消炎鎮痛剤のイブプロフェンやステロイド系のコルチゾンの摂取は、コロナウイルスの感染悪化を促進させるので使用しないこと。」

「その場合は、パラセタモールの解熱鎮痛薬を摂取するように」とTweetしました。パラセタモール(アセトアミノフェン)と言えば、薬の黄色い箱のドリプランで、フランス家庭の常備薬です。

フランスの医療レベルのこうした情報の公開も、国民にとっては、とても大事なことですので、日本の厚生労働大臣も、こうした情報提供をしてほしいものだと思います。まぁ、無理でしょうけど。涙)

医療レベルの差の問題点にフォーカスするより、フランスでも信頼できる良き医師に恵まれることがとても大事ですが、いくら名医であっても、その時のコンディションもあります。

名医も人間ですから、完璧、絶対って、医療ドラマでもないので、ありえないわけで、後は、ホント、その人の運、生命力です。

私が思うフランスの医療制度の最大の問題点

なかなか、予約が取れない!やはりこれに尽きると思います。すべての医療期間ではないのですが、専門医になると、予約を取るのに、すごく時間がかかることが多々あります。

湿疹など、今、痒みを診察してもらいたくても皮膚科の予約が3ヶ月先と言われたこともありますし、かかりつけ医から紹介された甲状腺専門医の診察の予約も半年待ちと言われたこともあります。

これでは、本当、何のための治療なのか?と呆れてしまいますし、これだと医者に診てもらうこと自体が億劫になります。

かかりつけ医だと、比較的、予約が取りやすいので、どんな病気でも、また、どんな身体の不調でも相談できるので、とりあえず、ここに行って診てもらうだけで済めばいいですけど、結局、専門機関に回される→すぐに予約が取れない、、、となるわけで。

日本でも完全予約性の医療機関が増えていますし、歯科などは、以前から予約制でした。ただ、痛みがある場合などは、空き時間などにアポを入れてくれたり、どんなに待たされてもその時に診てくれるケースがありますね。

フランスは、そうした融通が効きません。歯痛などは、評判の良い医師かわからずとも、出来るだけ早く診てくれる歯科医を見つけなければなりません。

政府の様々な政策によって、低所得者を保護するCMUなどの医療制度が出来てたりと、手厚い福祉国家のフランス。そうした国の社会保障や医療保障の負担が増大する一方で、国の医療制度の予算を削らなければいけないという大きな問題点があります。

必ず、どこかにしわ寄せがくるものです。それが、国公立の病院の閉鎖であったり、そうした国の医療機関の設備や医療器具の不足を招いています。

社会保障だけに予算を使っているわけではないですが、こうした問題点、国民の安全や命を守るという一番大事な医療に対してこうした削減が、今回のコロナの感染症(COVID19)におけるフランスの医療制度のパニックを起こしている最大の原因です。

私がパリに住みだしてから、いくつの国公立の病院が閉鎖されてきましたでしょうか?いくつのプライベートのクリニック、総合診療所がクローズしたり縮小してきたでしょうか?

病院跡地が美しい美術館に生まれ変わるのは、芸術の都パリらしくて、素晴らしいですが、芸術も人の命あってこそです。

国立総合病院のピティエ=サルペトリエールの私の担当医などは、普通だと予約が10ヶ月後、なんてこともありますから。医師の数も人員削減してますから、、推して知るべしってやつですね。これでは。

【フランスのストライキ情報】理由は年金一本化だけではない!

2019.12.31

今回のコロナ感染症で、フランスの国民が、かなり今の医療制度に対して怒っていますので、そりゃぁ、そうですよ。国の政策で、病院や医師の数が圧倒的に少ないわけですから。

また、医師のキャビネ(診察所)は、アパルトマンの1室を診察室として借りているだけですので、日本の病院や医院より設備は劣ります。診察用のベット、聴診器などの簡易な医療レベルの器具だけしか備わっていません。

検査が必要な場合は、処方箋が出され、それぞれの検査機関を予約してから行かなくてはなりませんし、同じ診察所で採血なども出来ません。

日本なら、長い時間、待つことになっても、たとえ紹介状がなくても、平日、朝、病院に行けば、診察や必要ならその場で、検査までしてもらえます。フランスの医療制度では、そうはいきません。

日本の医療レベルは、たとえ待たされても、その日に診てもらえるって、フランスの医療制度の中で暮らしていると本当に素晴らしい!と思いますよ。待ち時間が長い問題点があっても、時間内に受付をしていれば、その日の内に、医師の診察を受けられるんですから、夢のようです。

また、日本は都市部なら、病院の数も、それなりの設備や検査ができる個人病院が多く存在するので、とても恵まれていると思いますね。

また、フランス人がよく使う医療制度の中で、SOS  Médecin (エスオエス メデュサン)と言うサービスがあります。これは、24時間で対応している往診サービスです。

医者に予約が取れずに診てもらえない時や時間外の場合に、利用できる医療サービスです。当然、風邪が流行っている季節や、深夜などは、往診医の数に比べて、患者の数が多すぎて、電話をしても、なかなか往診に来てもらえないという問題点もあります。

それでも、病状が悪く動けない場合など、自宅に医者が来てくれると言うのは、ありがたいことです。往診医は、保険承諾の内科医です。

医師免許を持った医師なら、簡単にアパルトマンの一室を借りて、キャビネ(診察所)にしてしまえるように見えますが、キャビネ(診察所)として使える部屋の物件は限られているのが問題点です。だから、いくらアパルトマンを購入したとしても自分のキャビネにはできません。

往診でも、薬や検査は、処方箋による分業制です。後で、薬局や検査機関に行かなければならないという問題点があります。往診医も、最低限の薬は持っているので、症状に合う1回分の薬や、痛み止めなどの注射を打ってくれることもあります。

また、何時間も待つことは覚悟の上で、症状がひどい時などは、国公立の病院の緊急外来に行く方法もあります。こうした緊急外来担当の多くは、インターン生ですが、医療レベルが低いとか怖いとかでもないです。

ただ、検査を要するであろうと言う症状が出た場合などは、往診より、こうした病院の緊急外来に行くことをお勧めします。待ち時間が長い問題点があっても、病院内に検査機関があるからです。

フランスでは、脳外科だけや整形外科だけの病院や緊急外来はありません。聞くところによると、MRIなどの設備も少ないと聞きます。それはそうですよね、、、。フランスでMRIの検査をしたことがありますが、もちろん予約制でした。

こうした設備だと、頭痛で総合病院の緊急外来病院を訪れても、正確な検査をしておらえるのかと言う点では、医療レベルに不安はありますね。

知り合いの日本人留学生で、頭痛を訴え、国立総合病院のピティエ=サルペトリエールの緊急外来に行き、長時間待ち、ただの偏頭痛だと診断され、痛み止めの薬の処方箋をもらい、寮に戻り、翌日、亡くなった方を知っっています。

日本から連絡を受けて来られたご両親の悲痛な姿が今でも目に焼き付いています。言葉でどう言っていいかわかりませんが、息子を失った悲しみは、計り知れないです。

ただ、こうした例があったからと言って、フランスの医療レベルが低いとかフランスの医療制度のせいだとも言えないと思うのです。

日本でも起こり得ることです。どうしても、医者に診てもらうとなると、鵜呑みにしてしまいがちです。ましてや、外国語だと不安ですよね。細かいことまでわかるかどうか、、とか。

だから、全部が全部、疑ってかかる必要はないですが、緊急で診察をしてもらっていても、患者である側からも、検査の要求をするべきですね。

言葉が出来なくても、医師にリスペクトしつつ、なんとか相手にこちらの言い分を伝えるようにする。簡単に引き下がってしまうのも問題点と言えます。

ズーズしいくらい意思表示しても良いと思います。自分の命なのですから、検査してくれ!訴えるくらいでないと。

フランスなどの外国に住んでいると、いつもいつもはっきりと自分のこうしたい!こうしてほしい!自分はこう思う!を言い続けていないといけないという疲れる問題点もありますね。

まとめ

さて、今回は、私が知っている限りのフランスの医療制度から医療レベルや問題点を綴ってみました。医療関係者ではないので、あくまで、実際に見たり、聞いたり、体験したことだけなので、フランスの医療制度や医療レベルや問題点の全てではないです。

今回のコロナ感染対策のマクロン大統領は演説で「私たちはコロナウイルスとの戦争中である!」と言いました。そして、「医療従事者達を英雄」と讃えましたが、国民は、「ちょっと待ってよ!何が戦争だ!ふざけるな!」と。

「医療制度への予算カットで、戦うための武器(設備)なんてないよ。戦争なら戦士に物資である医療設備器具をサプライしなければならないのに、今まで散々、器具や設備を減らし、戦う戦士(医療スタッフ)まで減らし続けてきたのに、戦争だなんて。戦えるわけないでしょ」と。

医療スタッフも「人を治療するのは、人道的によるもので、愛国心からではない!」と。人手が足りない医療現場では、リタイヤした医師、医学生や看護学校生までが、こうしたこうした考えのもとに治療に当たっています。

感染拡大防止のためのロックダウンによって、全てが封鎖されているパリで、路上のホームレスに居場所を与えて手厚く保護することを唱えるところがフランスらしい。

人権主義でリベラルなのはいいが、本当、どうしていつもこういう考えになっちゃうのか、、、と。ホームレスやるならフランスをお勧めしたいくらい。

年金問題やストもですが、いろんなことのツケが回ってきたようにも感じるフランスで、「私たちは、コロナではなく、医療制度の崩壊したフランス、国に殺される!」というフランス人も多い。

ただ、今、フランスの医療レベルがどうだこうだとか、マクロンが悪い!とか、ホームレスを保護せよ!とかなど、あれこれ批判したり、翻弄されている場合じゃないですから、、

こういう時のフランスは、ストの集結を見てわかるように、市民レベルで助け合う、フランス人がよく使う言葉、ソリダリテ(solidalite)=(結束や団結のような意味合いにとてもパッションが込められています)の精神が発揮されます。

今は、ひとりひとりができること。監禁の中で、難しくてもできるだけ免疫を高めるような食事や生活を心がけて、病気にならない、移らない、移さないようにして、なんとかみんなで、この大変な時期を乗り越えられるように。

かなり長期戦になると思われるので、メンタル的にも、コロナのせいでこなった!とか、自分の立場などを何かのせいにするようなネガティブな思考にならず、まっすぐ、前を見つめて、進んでいきましょうね。