フランスにあるアニメの聖地を探してみました!

フランスには、アニメのオタクがたくさんいます。アニメやマンガで遠い日本に思いを巡らす彼らの夢は、憧れのアニメの国、日本へ行くことです。

実は、彼らが夢中な日本のアニメの聖地はフランスにあるのです!

そんなフランスにあるアニメの聖地や、フランス人オタクにとってのアニメの聖地までを、私目線で見てみたいと思います。

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今、一番熱いあのアニメの聖地もフランスに!

サトミーナ
こんにちは!パリのコーディネーター・サトミーナです。(@SatominaS)

フランスでも大人気アニメ「進撃の巨人」。息子が中学生の時に教えてくれて、私もめちゃくちゃハマっているアニメ。巨人が、ただ、人間を食べるダークでグロテスクなアニメかと思っていたら、とんでもなく深〜い内容のアニメ。

 

フランス語では、Attack les Titansと言いますが、日本語タイトルそのままの「SHINGEKI  NO KYOJIN」でも十分通じます。フランスでよくやっているあなたの好きなアニメベスト5(フランスで人気アニメについては、また後で)に、必ずランクインしています。

アニメは、第1期、第2期、第3期(パート1)(パート2)、OVAとありますが、いよいよ来年にファイナルシーズン(涙)の放映が決定しています。

原作は諌山 創氏の少年マガジン連載10周年を迎える漫画。原作も新たな展開に進んでいて、多くの伏線を含んだ物語は謎解きのような面白さがあって大好きです。考察も興味深いです。

アニメは、そのクオリティーがとても高く、初めて息子と見たときは、独自の世界観にもう衝撃でした!そして、何より人類最強のリヴァイ兵士長のファンです。私からすると、彼って、ドSって程でもないですけどね〜。

息子は、漫画やアニメを読んだり見たりしますが、オタクの領域まで足していないのでつまらないのですが、彼の友人を含めたフランスの私の周りには,結構「進撃」のファンやリヴァイファンがいるので、フランス流アニメの楽しみ方を体験しています。(これは、皆で一緒にアニメを見るんですよ!まるで、サッカー観戦みたいに)

この「進撃の巨人」のストーリーは、人間が要塞都市の中だけで細々と生活していところに、壁を壊して巨人がやってくるところから始まります。そして人間が巨人に捕食されていくのです。ショッキングなシーンですが、アニメの映像や音楽がとても美しいのです。

その人間が暮らす場所は、三重の壁(ウォールシナ、ウォールローゼ、ウォールマリア)に囲まれています。壁が破壊され、人間は内地へと追いやられて行きます。物語が進むにつれ、その壁自体が巨人からできていること、巨人は人間であったこと、そして9つの巨人が存在することなどが解明されていくのですが、、、。

この広大な架空のダークファンタジーの漫画&アニメ「進撃の巨人」の聖地がなんと、南フランスのオクシタニー地域圏のオード県の県庁所在地にあるヨーロッパで最も大きいとされる歴史的城塞都市カルカソンヌ=Carcasooneだと言われています。

ただ、南ドイツにも「進撃の巨人」の聖地と言われる小さな城壁の街があります。アニメの主題歌やキャストの名まえもドイツ語が使われている事から、このドイツの小さな田舎町、ネルトリンゲンが本命?かなと思われる節もありますが、フランスにいる私は、やはり、このアニメの聖地はフランスのカルカソンヌの城壁の方だ!と決めつけて思いを馳せています。

また、私が聖地と決めつける理由として、カルカソンヌの城壁は多重構造で、「進撃の巨人」の3重の壁のイメージに重なるからなのです。

さて、少し、その歴史的城塞都市カルカソンヌについて見てみましょう。ユネスコ世界遺産にも登録されていて、フランスではモン・サンミッシェルに次いで2番目に人気の世界遺産観光地です。

2500年もの歴史を持つカルカソンヌに最初の城壁が作られたのが、紀元前3世紀末から始まるガロ・ロマン時代で、今でもその一部が残っています。ガリア人、ローマ人、ゲルマン系の西ゴート族、ムスリムから占領され続けてきたカルカソンヌの歴史的城塞都市のシテ。

そして、ピピン三世がフランスからムスリムのサラセン人を駆逐し、その後、ドイツとフランスで始祖的英雄とされたピピン三世の息子、カール大帝(シャルルマーニュ)が最盛期のフランス王国(現在のフランス、イタリア北部、ドイツ西部、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、スイス、オーストリア)を統治します。

そのカール大帝に約7年間も包囲され攻撃されたカルカソンヌのシテ(歴史的城塞都市)を守り続けた、有名な女領主カルカス (Dame Carcas) の伝説があります。カルカス婦人は、長い戦いで兵糧も水も無くなりかけているにもかかわらず、豚一頭を太らせ、塔から市外へと放り投げることによって、まだ、十分な兵糧があるとカール大帝を欺き、撤退させたのです。

その勝利を祝い街中の鐘やラッパを鳴らしました。それをフランス語でカルカ ソンヌ(Carcas sonne=カルカが鳴らす)と言います。それがそのまま街の名まえの由来になったと伝えられています。

その後の1130年に、このガロ・ロマン期の最初の城壁の修繕を行い、カルカソンヌを完全な城壁に囲まれた都市に作り上げました。

そして時は過ぎ、カルカソンヌは、1224年にはフランス国王領となり、ルイ9世、フィリップ3世、フィリップ4世ら国王の治世下で、現在の様な二重の城壁を持つシテ(歴史的城塞都市)の形となったのだそうです。

1659年にピレネー条約が締結され、フランスとスペイン間の国境が定められ、城壁に囲まれたカルカソンヌ旧市街地のシテ(歴史的城塞都市)は軍事要塞としての役目を終え荒れ果てしまいました。

そして、19世紀にパリのノートルダム大聖堂を初めとする数多くの歴史的建造物の修復を手掛けた、フランス人建築家のヴィオレ・ル・デュック(日本ではあまり知られていないようですね)によって、現在も見る事ができる壮麗なカルカソンヌ城壁都市シテを再生しました。

この19世紀を代表する偉大な建築家ヴィオレ・ル・デュックよる修復とカルカスの婦人の伝説の二つは、歴史的城塞都市カルカソンヌを知る上で重要なポイントです。この修復がなければ、この地が今までアニメの聖地になることもなかったでしょう。

こうして、アニメの聖地の歴史を調べて行くも面白いものです。「進撃の巨人」の時代設定は、オリジナルな年号、845年、850年などを使っていて、2千年後の君へなどのタイトルといい、物語の中でこの年号がとても重要な意味を持っています。

アニメ舞台の時代背景を検証してみると、出てくる戦闘機や大砲、馬車や街並からするとヨーロッパの産業革命の頃、日本の江戸時代に当たると言われ、また、アレコレ想像を膨らませてしまいます。

ヨーロッパ、フランスには、こうした大小様々な城塞都市が沢山あります。私にとって、パリからは遠く、アクセスが悪いフランス南西部、カルカソンヌがあるのオクシタニー地域圏は、とても馴染みがある地域でフランスで、最も好きなエリアです。以前のブログで、オクシタニー地方圏について書いています。

パリ以外にもフランスの名所がたくさんあります!【フランス好き必見】

2024.04.08

城塞と中世の街並を見ると、「進撃の巨人」に登場する兵士達が石造りの建物に立体起動装置のワイヤーを射ち、アンカーを建物や城壁に突き立て鮮やかに空中移動し、ブレードで巨人の項を削いでいるという、、、あらぬ妄想が浮かんできます(笑)。

意外とフランスのアニメオタクは、日本のアニメやマンガの舞台や聖地が自国にあることに関心がありません。だから、この「進撃の巨人」の聖地をフランスのファン友と共有して、盛り上がることは残念ながらないのです。

彼ら達は、自分たちの国の歴史をしっかりと学んで来ていますからね。また、中世の街並みや城郭が私のような外国人と違い特別な風景でありません。それは日常的な光景であり、当たり前にそこに存在する都市景観の中で生活しているわけですからね。

パリからカルカソンヌへは、オクシタニー地方の最大都市トゥルーズまで空路を使い、トゥルーズから45分ほど列車に乗るのがベストなアクセス方法だと思います。

カルカソンヌにも空港がありますが、フランス国内線フライトの離発着はありません。ベルギーのブルッセルなどヨーロッパの他の都市からのみのカルカソンヌ空港に入って来れます。

アニメの聖地として、果てしなく続く妄想にどっぷり浸かるのも良いのですが、この地方の名産料理、本格派のカスレに舌鼓を打つのもカルカソンヌへの旅の楽しみの一つです。また、オード川に架かる古い橋(Pont Vieux)とカルカソンヌの城壁の幻想的な美しい夜景は必見です。

できれば、オクシタニー地方に最低は1週間は滞在し、レンタカーを借りて、気ままにドライブして、可愛い村や集落を探すのもワクワクしますよ。この地方には、日本のガイドブックや観光サイトブログにも載っていない隠れた名所が沢山あります。

南フランスは、夏の日差しがとても強いので、サングラスがないと困ります。日照時間も長いく、暑さも日本とは違いますので、カルカソンヌへ旅行は夏より春のイースターの頃がおススメです。

アニメの世界が広がるフランス東部の街

フランスでも、子供から大人まで多くのファンがいる宮崎 駿のアニメ。彼らフランス人は、宮崎 駿のアニメ作品をまるで美しい詩ようであるとか、繊細な情景画だと言います。この辺りの感覚は、フランス人の持つ美意識や感受性に、宮崎 駿アニメはぴったりくるのではないかと思います。

フランスの娯楽は、今でも映画です。 オペラ、バレエ、演劇などの観劇やコンサートなども人気ですが、映画を映画館で見るのがフランス流で、パリの映画館はいつも上映前に列が出来ています。宮崎 駿のアニメの新作の上映館は、いつもすごい人です。

そんなフランスの宮崎 駿アニメファンにとっての聖地は、東京のジブリ美術館。私も何度か来日したフランス人をアテンドしてますし、息子はフランスの学校の課題のために、何度もジブリ美術館に足を運んでいます。

私も大好きな宮崎駿のアニメ「となりのトトロ」などは、私が生まれる前の昭和の埼玉県所沢市が舞台となっていたり、実家の近くの東京郊外の多摩市などにも多くの宮崎 駿アニメの聖地があります。

そんなジブリのアニメの中にも、フランスの街を舞台とした作品が幾つかあります。では、フランスにある宮崎駿アニメの聖地をいくつか見て行きたいと思います。

帽子屋さんで働くソフィーが魔法使いハウルと出会い、90歳のお婆さんになってしまうという物語の「ハウルの動く城」。公開当時、豪華俳優人が吹き替えをしたことでも話題になりました。私も六本木ヒルズで見た記憶があります。この作品の時代設定がイマイチわかりづらいのですが、戦争が描かれているところをみると19世紀末頃なのかと思いますが、、。

この作品に登場する荒地の魔女の英語版吹き替えが、私の好きなハリッウッド女優、ローレン バコールだったこと印象に残っています。ハリウッド映画の古き良き時代、ハンフリー ボガードと結婚し大女優となった彼女。

三白眼の鋭い目つきとハスキーボイスの彼女のようなカッコいい大女優は、残念ですが、最近は、あまりいないですね。彼女は、この「ハウルの動く城」の吹き替えから数年後に90歳で逝去されました。

さて、アニメ「ハウルの動く城」の聖地は、フランスは東部、ドイツとの国境に近いアルザス地方圏にある小さな街、コルマール=Colmarになります。

アルザス地方の建築物の特徴でもある古い木造の街並は、まるでメルヘンの世界です。アニメの冒頭で、街中を列車が走るシーンがありますが、その電車が走っているところは、コルマールの旧市街地にある運河の場所ではないかと思います。

また、コルマールは、プチ ヴェニスと言われています。コルマールへ行ってみると、ソフィーとハウルが暮らしたアニメそっくりの街なのよくわかります。街の色彩も看板のデザインもとても可愛いです。プフィスタの家もそのまま描かれています。

アルザス地方圏には、おとぎ話に出てくるような旧市街地を持つ都市がいくつも存在します。どの街でも、こうしたメルヘンチックなアニメのファンタージーの世界に浸かる事ができると思います。だから、是非、フランスに来たら、魅力いっぱいのアルザス地方へ旅してみて下さい!

パリからコマールまでは、まず、パリ東駅からTGV列車に乗って2時間半でストラスブールへ行き、そこから各駅路線電車に乗り換えて約30分程で到着します。

こちらのアウトレットに関してのブログで、フランスのアルザスのトロワについて書いています。

トロワですと、直通列車で片道1時間半ですから、日帰りでアニメの雰囲気を味わうプチ旅行も可能になります。でも、やはりファンは、聖地を目指したくなるものだと思いますが。

このコルマールは、他にも多くのアニメや小説の舞台になっています。最近、話題のアニメ&マンガ「ご注文はうさぎですか?」の聖地として、多くの通称「ごちうさ」ファンが日本からこのコルマールを訪れています。

さて、宮崎 駿作品に、もう一つ、フランスに聖地があるといわれるのが、「天空の城 ラピュタ」です。この作品の舞台は、他の国にもありますが、やはりなんと言っても、フランスにある海に浮かぶ孤島の修道院、モン・サンミッシェルがラピュタがイメージそのものだと思います。

フランスが誇る世界遺産のモン・サンミッシェルについてのよもや話はこちらをご覧下さい。

今までに、モン・サンミッシェルは、多くのアニメや映画のモデルの地になっています。パリから交通の便は少し不便ですが、「モン・ミッシェルを見てから死ね!」ではありませんが、パリに来たら、皆さんも、一度は、モン・サンミッシェルを見て欲しいです。ただ、私は、モン・サンミッシェル押しではありません。なぜか、初めて見たとき、幻滅?がっくりっだったんです。

当然、パリもアニメの舞台になってます。

さて、パリを舞台にしたアニメですが、私の個人的な感想は、そう多くはないような気がしますね。まず、昭和の少女マンガの傑作「ベルサイユのバラ」です。実在した人物と史実に沿ったフランス革命を舞台にした物語ですから、パリには、作品に出て来た多くのスポットが存在します。

「ベルバラ」は、フランスでも「レディ オスカル」というタイトルでアニメ放映されていますが、日本のように空前の大ブームになりませんでした。フランス人は、あまりマリーアントワネットを好きではないですし、歴史をしっパリ学んでいるので、この時代のフィクションにあまり感情移入できないんでしょうね。

「レディオスカル」放映時に幼少期を過ごしたフランス人女性はの皆「キャンディ キャンディ」の方が、断然好きだった!と言っています。フランスの私と同世代は、フランスにおける日本のアニメのブーム第一期になります。当時のフランスの男子は、アニメ「ゴルドラック」=Goldrakに熱狂したそうです。

「ゴルドラック」を私と同世代のフランス人が知らない事などありません。当時視聴率75%で瞬間視聴率はなんと100%に達していたとか、、。恐るべし、日本のアニメです。当時の日本でも人気があったと思いますが、少女だった私は、永井 豪作品の「ゴルドラック」(UFOロボ クレンダイザー)と「マジンガー Z」の違いもよくわかりません。

では「ベルばら」で描かれている幾つかのスポットを見て行きましょう。ヴェルサイユ宮殿は、年間400万人の観光客が訪れるフランスはパリ郊外にある、エッフェル塔、ルーブル美術館と並ぶ、有名な観光名所です。ここで販売されているマリーアントワネットグッズは、日本人にとても人気があります。日本でマリーアントワネットのグッズを販売するとすぐ完売するくらい、日本人女性にアントワネット王妃が好きが多いようです。

ヴェルサイユ宮殿もアントワネットが住んだトリアノン宮殿や庭園も時間をかけてゆっくり見学することができます。そうしてアニメや漫画を思い出しながら、当時のことをアレコレ思い浮べ妄想ワールドに浸れたら楽しいです。

当時のフランスの宮廷のおトイレ事情などはこちらのブログをご覧下さい。

さて、「ベルばら」で、アンドレがオスカルを庇って撃たれた場所は、パリのルーブル美術館とコンコルド広場の間にあるチュエリー公園です。公園には、円形の池があり、昔も今もレトロな木舟で遊ぶ子供たちがいます。その風景は、まるで絵葉書のようです。パリッ子は、曇り空で多少寒くても、休日の午後、この池の回りにある椅子に座り、のんびり読書したり、おしゃべりしたりして、時間を過ごしています。

パリ観光で少し疲れたら、皆さんもこのベンチに座って、広大なパリの美しさを感じながら、回りを眺めて、休憩してみて下さいね。「ベルばら」ファンなら、そのシーンを思い浮かべたくなると思いますし、ファンでなくても、パリの空気感をカラダで感じることができますよ。

また、フランス革命の発端とされるオスカルが銃弾を浴び亡くなるバスティーユ牢獄襲撃は、現在は、パリの下町、バスティーユ広場になっています。牢獄は、ありませんが、牢獄があったことがわかるほんの一部が、バスティーユのメトロ5番線ボビニー方面行きのホームに残されています。

この牢獄跡は、意外に知られていないので、見逃しやすいですが、もし、メトロでバスティーユを通過するなら、是非、見て行ってください。アニメの聖地としてだけでなく、本当にここに牢獄があったんだ!と、あのフランス革命が始まったという歴史を実感できます。

パリの中心部には、マリーアントワネットが愛人フェルゼンと馬車に乗って逃げた道路と通り抜けたサン・マルタン門があります。私は、このサンマルタン通りを歩くと、どんな思いでフェルゼンがここを馬車で走り抜けていったのかを想像したりと、、切ない気持になります。

フランスの名所、城に行こう!【フランス名城から秘城まで特集】

2024.04.07

それから、放映50周年を迎えた人気アニメ「ルパン3世」。何度も再放送してますし、シリーズ化もされてますね。劇場版アニメとしても「名探偵コナン」とコラボなど、いくつもの名作があります。

50周年を記念して過去の「ルパン三世」のアニメの人気投票が行われ、第二シリーズの宮崎駿監督が手掛けた「さらば愛しきルパンよ」が堂々1位に輝いたそうです。この作品と宮崎 駿監督による劇場版「ルパン三世 カリオストロの城」には、熱烈なファンがいる事でも知られていますね。

通称「カリ城」は、フランスでは著作権の問題とやらで、なんと40年後の今年になってやっと上映されました。このアニメ「ルパン三世」は、フランスの小説家モーリス・ブラウン著作のミステリー小説「怪盗紳士ルパン」の主人公アルセーヌ ルパンの子孫とされているので、フランスでも人気?と問われると、実はそうでもないのです。

フランスでもアニメが何度も放映されていますし、宮崎 駿の初期作品として映画も公開されても、「ルパン三世」シリーズはヒットしないようです。フランス人は、小説のアルセーヌ・ルパンの方が好きなんでしょうね。

「ルパン三世」はフランス人なのだから、フランスを舞台にした作品も多いと思われるのですが、ルパンのファッションセンス、車などは、イタリアっぽさを多く感じます。映画でも、イタリアのサンマリノ共和国が聖地とされた作品もるそうです。

何度も再放送で見た初期の「ルパン三世」アニメシリーズが印象に残っていますが、最近、「ルパン三世パート5」が新キャラも加わり、映像も声優さんも変って、地上波テレビで放映されていてます。このシリーズは、アルセーヌ・ルパンに因んで、フランスが舞台となっています。オープニングやエンディングでもパリの有名観光スポットがそのまま描かれています。

確かに「ルパン三世」の聖地として、こうしたスポットがアニメに出て来るとワクワクするのですが、そのままズバリが描かれている事、時間や空間の違いを感じないので、個人的には、妄想や想像に入り込めないので、アニメの聖地として、思う存分に楽しむ事ができません。

日本のニースでも大きく取り上げられたついこの間のパリのノートルダム大聖堂の火災。パリ市民にとっては、カトリック信者でなくても、街のシンボルであったノートルダム大聖堂の火災は、衝撃的で悲しいものでした。

今から100年以上前に、アニメ「進撃の巨人」の聖地として上述で紹介した、カルカソンヌの修復と同じフランスの天才建築家によって修復されたノートルダム大聖堂ですが、火災後3ヶ月以上経った今なお、まだ、再建に向けての動きが見られません。

マクロン大統領は、5年を目処にと言っていますが、修復は大変難しい技術を要するようで、とてもフランス人の仕事の仕方では、5年で再建出来るとは思えませんね。

このノートルダム大聖堂を舞台として描かれたアニメと言えば、ウォルト・ディズニーの「ノートルダムの鐘」は有名です。多くのディズニーアニメの聖地がフランスに存在します。お城や王妃などが出てくる物語が多いディズニーアニメワールドですから、お城の宝庫のフランス観光は、ディズニーファンには、たまりませんね。

今、フランスでどんなアニメが人気?

フランスでは、よくあなたの好きなアニメランキングをやっています。そのアニメは。全部日本のアニメです。漫画やアニメを、そのままの日本語「ショウネン」「セイネン」「ショウジョ」「ジョシ」を使ってアニメや漫画のカテゴリーも区別しています。

最近は、腐女子のようなBLも増えてはいますが、日本の女性のようにフランス人女性は、そんなに妄想グセがないようですし、現実的に恋愛体質です。よほどコアか、偏った見方になりますが、都心部でなく、田舎や地方に住んでいるフランス人女性に腐女子っぽいオタクがチラホラいるくらいでしょうかね〜。乙ゲーとかもそんな傾向にあるようです。

それから、アニメや漫画の影響や、youtubeなどで日本のドラマやアイドルが見れるようになり、フランスの女子もだいぶ好きな男子のタイプが変わってきました。元々、フランスの男女の中には、自分にないモノ、人と違ったものに憧れを持つような人が結構います。

そういう人は、外国人やハーフなどのエキゾチックな異性が好みのタイプなのです。そんな理由でか、フランスの女性の好きな男性のタイプに日本人の男性とかも最近は、全然ありな時代です。最近、モテてますよ!日本人の男の方は。特に若い世代で。

ほんの10年前位は、まだまだ、圧倒的に日本人女性の方がフランス男性に人気がありましたが、 今の若いフランス人女性は、日本のアニメや漫画に影響を受けて育っていますし、彼らの恋愛で、身長差とか年齢差とか、日本のようにこうでなければいけない!みたいに気にすることがないのです。

では、どんなアニメが今、フランスでは、人気かと言えば、どんなランキングでも、今も尚、断トツの1位になるのが「ドラボンボール」で次いで「ポケモン」「ワンピース」「ナルト」「デスノート」「名探偵コナン」「進撃の巨人」などが上位に入ってきます。女子では、王道の「プリキュラ」がランクインします。

最近では、「ジョジョの奇妙な冒険」も人気があり、漫画の単行本は、まず、ヨーロッパで最初にフランス語版が翻訳されたくらいです。「ジョジョ」好きならわかると思うのですが、ジョジョの聖地は、イタリアです。日本から行くイタリアのジョジョの聖地巡礼ツアーもあるようです。

この「ジョジョ」のキャストの一人にフランス人はいますが、物語にフランスが描かれません。イタリアの他には、エジプトやアメリカ、日本などの国々は出て来るんですけど、、、。どうしてなんでしょうね??わかりません。

ジョジョの漫画「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」は、パリのルーブル美術館が舞台です。そのルーブル美術館で日本人漫画家で史上初、ジョジョの作者、荒木 飛呂彦氏の原画展が開かれたことがあります。そう見るとフランスでは日本のアニメや漫画が、もはや芸術の域に達していると言えますね〜。

それから、週間少年ジャンプで連載開始から20年以上も経っても人気の衰えがない「ワンピース」。今までに何度もテレビアニメ、OVA、映画化されている人気作品ですね。

個人的は、あまりにもロングなストリーなのと、バトルも好みではなく、フォローしていないんですが、息子がファンです。フランスは、日本より、ワンピース好きが多いような気がします。

海賊王を夢見る少年が主人公ですから、架空の海や大陸、街や城が舞台となって、その壮大な世界感の中に、感動的シーンがあるようで、涙するファンもいますね。「ワンピース」は、聖地とされる地理のヴァリエーションは豊富です。でも、フランスとなると思いの外、少ないような気もします。

あらゆるアニメや漫画の聖地の王道であるフランスのモン・サンミッシェル修道院は、「ワンピース」の作品でもモデルとなって登場しています。また、ディズニーアニメでもお馴染みのフランスロワール地方にあるシャンポール城も出てきます。

「ワンピース」を調べていて気になったのが、フランスの南部、大西洋沿岸部一帯のヌーヴェル=アキテーヌ地方圏(首府はボルドー)の中の一つの県であるシャラント=マリティーム県の湾岸都市のラ ロシェルの沖合に浮かぶ要塞島です。

余談になりますが、2016年にフランスの行政区域の改正で、フランスの地方区分が名称も範囲も変わりました。多くの県が統合されてしまったので地域圏の数は減りましたが、その地理的な範囲が広がりました。

かなり内陸部にある県でも沿岸部の地域圏に属したりとか、今までの固定観念もあり、正直、その地方に住むフランス人からも、受け入れにくい、広すぎる行政地域区分と言われています。

「ワンピース」のアニメをよく見ていないので、ググっただけになりますが、作品に登場する海に浮かぶ大監獄インペルダウンが、この要塞島のボワイヤー砦だそうです。絵画を見てみるとその通りであることがわかります。ラ ロシェルといえば、フランス人には、バカンスで人気のレ島やヨットハーバーがありますが、私は、まだ行ったことがありません。

「ワンピース」ファンなら、ボワイヤー砦も聖地巡礼になるのでしょうが、ここを訪れる日本人の多くは、アラン・ドロンが主演した映画の舞台を見にくるのだそうです。日本人って、私もですが、つくづく、、、アニメとかドラマ、映画のロケ地や聖地へ行くことが好きですよね〜。韓国の旅もそんな聖地巡礼ブームがありましたね。

また、同じフランスの港町で、ノルマンディーにあるフランス海軍基地を要するシェルブールも、住民すらおぼえていないカトリーヌ・ドヌーヴの映画「シェルブールの雨傘」の所縁の地として、日本人は、今でも訪れていますから。街には、映画の面影なんてないように思いますけど(笑)。

フランスでは、ボワイヤー砦を夢のテーマパークにして、参加者がアトラクションを楽しむバラエティー番組がTVで放映されています。この番組で、要塞島の内部がよく見ることができます。

フランスのオタクにとっての聖地は?

それは、ずばり、なんと言っても日本です。だいたい、フランス人は、オタクに見えないが、じつはオタクと言う人が本当に多いのです。特に、30代くらいまでの若い人のオタクはかなりの数です。

日仏の二つの国に住んで、最近のフランス人を知るにつれて思うのが、フランス人の嗜好が、かなり日本人に似ている部分があるなぁ〜って。だから彼らが日本のアニメや漫画にハマるのも理解出来るし、日本大好きフランス人が多いのも納得できるようになりました。・

フランスでオタクという言葉は、そのまま「OTAKU」として使われ、アニメや漫画に情熱を持っているという意味が込められています。彼らは、自分のことをどこか誇らしげに「自分は、オタク」と言うくらいですから。

とっても可愛いフランスの女性とかでも、ピカチュウとか大好きですからね。先日も商談中に美人フランス女性アクセサリーデザイナーがピカチュウ愛を語ってました。外見で人を判断するものではないのですが、彼女のもつ容姿や雰囲気から、そんなオタク度まったく垣間みる事ができなかったですし、一緒にいた日本のクライアントさんもビックリする程の隠れオタクでした。

まずそんな彼らが毎年楽しみしているのが、毎7月にパリの郊外、シェルル・ド・ゴール空港近くにある国際見本市会場で開催される「ジャパンエキスポ」です。フランスオタクのアニメの聖地です。

開催から20年を迎え、20万人以上の来場者数を数えるほどに成長したジャパンエキスポですが、開催当時は来場者数は4000人ほどだったそうです。ヨーロッパでは、フランスよりドイツとかで開催されるアニメのイヴェントの方が規模が大きいと聞きます。

それでも、日本文化との触れ合いをテーマにしたパリの「ジャパンエキスポ」には、近隣のヨーロッパからも訪れる根強いファンもいます。そして、さすが、ファッションの首都パリ、この「ジャパンエキスポ」には、コスプレが、本当に多いデス。開催期間中は、空港に向かうRER郊外電車で、そうしたコスプレ軍団に遭遇する率が高いです。

そして、いつも彼らを見て、思うのがリアル感があるということなんです。日本のJK風のコスプレをしているフランス人からは、あまり感じませんが、西洋系のキャラクターのコスプレだと、そのままの目鼻立ちにメークして、カラコンなしでOKで、髪の毛のカラーも地毛のままでもいける彼ら達です。スタイルも良いですしね。彼らを見ているだけで、こちらも面白いですよ。

当然、フランスのアニメオタクは、ジャパンエキスポだけじゃ、物足りなくなってくるし、バカンス王国のフランスですから、やはり憧れの日本へ行くことももう定番です。彼らにとって、アニメの聖地は、日本ですから、リピーターもかなりいます。

そんなフランス人のアニメオタク達が愛してやまないのが、秋葉原ですが、サブカルチャーの三大聖地と言われる中野、池袋も人気です。サンシャインにあるポケモンセンターは、来日する度に行く、フランス人オタクもいます。息子が小さい頃に連れて行きましたが、最近は、フランス人のアテンドで何度もサンシャインや乙女ロードのアテンドに付き合った事があります。

フランス人が思うアニメの聖地、池袋はアニメや漫画で描かれる日本の庶民文化やラーメンなどのB級グルメなども楽しめるので、池袋が好きなフランス人は多いですね。(笑)

大体、こうしたフランスのオタクは、小さい時から憧れていた日本のアニメに出てくる私達の日常の世界を体験することに異常に興奮します。その彼らの楽しみは、私達では到底理解しがたいものだと思いますよ。思い焦がれた情熱が違います。

また、最近のフランスのアニメオタクに人気なのが、ペインティングで、日本では著作権の問題もあり、あまり流行っていないようですが、フランスでは、オシャレなオタクの男の子達にはコレクターもいる程らしいです。スニーカーなどに、アニメのキャラクターなどを独自のセンスでペイントしていくアート作品です。

これは、ホント、フランスならではの趣向ですね。オタク文化と言うより、アートだと思います。今後、こうしたフランス独自のアニメオタク文化がどの様に変化して行くのかも気になるところです。

息子のフランスのイケメンな学友達の中に、結構の数で、隠れワンピースオタクがいます。昔からフュギュアをコレクションしているし、もちろん、日本にも行っているし、どうしてかわかりませんが、彼らは、Tシャツとかスニーカーとか、、とにかくワンピースのモチーフが入ったモノやペインティングが好きだし、漫画は、日本語がわからなくても日本語で最新刊を読んでいし、、、。

最近のフランス語で、「スキャン」するというのは、漫画やアニメを日本と同時に、ネットで見る(公式サイトでだと思う)ことを言うらしく、みんな、ネットでタイムリーにフランスでスキャンを見るそうです。そのようなフランスのアニメ&漫画事情も知りませんでした。

フランスでもオタクによる考察動画も多く出ています。外人オタクの考察って、意外に日本人と視点が違うので勉強になると、日本の考察動画のyoutuberも言っていましたが、フランス人のワンピースオタクの考察動画も、フランスのワンピースオタクに多くのフォロワーがいるそうです。

まとめ

今回ブログを書き始めてから、書き終わるまで、えらく時間がかかってしまいました。と言うのも、ほとんど寝ずに、アニメから考察堂動画、原作漫画単行本まで見まくってしまって、全然、書く意欲が湧いてこなかったんです。

自分の目で見てみないと、、と思って、今まで、見たこともないアニメや読んだ事もない漫画にも手を出して、、それはそれは、、オタクもどきの毎日でした。

自分が好きなアニメや漫画もフランスが聖地と決め込んだけど、実は、もしかしてモデル地はお隣のドイツの街?じゃない?と言うように、色々調べて見てみて、まさかと思う程、フランスには、アニメの聖地が少なかった。もっとあるようなイメージなんですけど。

パリの観光スポットをそのままアニメや漫画に登場させても、私の感覚ではトキメキの聖地にはならないのです。あまり妄想や空想が出来ないですからね。歴史的建築物やモニュメントそのものに重みがありすぎて、、。

映画では、よくパリの街並のシーンが登場します。そのままパリを舞台にしたSTORYもあります。そうした映画のロケ地はたくさんあるので、映画のパリ聖地巡りは楽しいですよ。ロケ地としてのパリの価値が下がることはないと思います。

パリの撮影コーディネーターとは?どんな仕事?

フランスには、まだ、映画やドラマ、アニメや漫画の原作のモデルやロケ地になったことがない場所がたくさんあります。私もフランス全土を旅した事がないので、そのすべてを語る事ができません。

それでも、フランスの世界遺産の観光地、小さな田舎の村や集落で目にする風景は、どこもみなファンタジーに溢れています。それだけで、もう十分にアニメの聖地へ思いを馳せる事ができ、アレコレと想像や妄想ができます。

フランスに来たら、是非、オタクでなくても、そんな見方で、地方を観光して下さい!きっと、楽しみが倍増するはずです。

パリの旅行コーディネーターとは?【プロが教える】

2024.04.08