パリに住むとフランス語が話せるようになりますか?

パリに住むとフランス語が上達するのでしょうか?

フランス語を学ぶことは、敷居が高い、難しいと言われています。そして、そのフランス語をどんなきっかけで勉強し始めたのか、フランス語習得の目的も人それぞれ。

フランス語を話せるようになるには、フランスに行けばいい!パリに住むとフランス語ができるようになる!それは、本当でしょうか?

パリに住むと、びっくりするほど、多くの外国人がパリに住んでいて、みんな、フランス語が話せないことがわかるものなんです。

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フランス語の勉強を始める理由

サトミーナ
こんにちは!パリのコーディネーター・サトミーナです。(@SatominaS)

フランス語を勉強する理由も、大学の第二外国語で選択したとか、特にフランスに思い入れがあったわけでもなくて、結果的にある意味、義務でフランス語を学ぶことになってしまった人を除けば、フランス語を学ぶということは、英語とは違って、何か理由、その先の目的があるものです。

何となく、フランス語の言葉の響きに憧れて、日本でフランス語のレッスンをスタートしたり、独学で、テレビやネットツールでフランス語を学んだりしながらいつかパリに住むことができたらと夢を見るもの。

渡仏歴も多く、次回のパリ滞在までに、少しでもパリを感じていたいから日本でも、フランス語のラジオやフランス語の歌を聞いたりしている人など。フランス語を勉強するその目的は、人それぞれ様々ですね。

どうしてフランス語を学ぶの?

第二外国語として、また、フランス文学や哲学を専攻して勉強している大学生も多いですが、フランス語を学ぶ理由に、フランス語が必要な仕事に就きたいという人が圧倒的に多いのです。

パリに憧れて、フランスのお家芸とも言われる、デザイン、ファッション、グルメ、アート、建築、フラワーアレンジメント、クラッシックやオペラなどの職種を志していたり、日本で、すでにその道に進んでいたら、本場、フランス、パリに住むことを考えるでしょうし、フランス語も日本にいながら勉強することになります。

パリには、こうした芸術的なスキルを学ぶ学校はたくさんあります。外国人用コースで英語で授業を受けることもできます。

でも、その地、パリに住むということは、生きたフランス語が必要不可欠になるので、フランス語取得に向けて努力するものなのです。

フランス語を日本で学ぶことの限界

フランスでしか学べない、パリで興味がある分野を学びに来る方は、渡仏前に、日本でお金をかけて、フランス語を勉強しますが、それには、私は、あまり、意味がないと思っています。

日本で、フランス人と接していたとかいう理由だけでレッスンに通う人もいますが、週に1回、2回、1時間や2時間、フランス語を勉強したところで、周りは、当然、日本ですから、フランス語の洗礼を浴びることなどできないからです。

そして、日本で、働きながら、他に専門の勉強をしながら、学校へ通ったところで、フランス語が頭に入るものではありません。

パリに住むこと、パリで自分の仕事の分野での経験やスキルアップを目的としているなら、渡仏前に、フランス語のレッスンに時間をかけることも無駄なことで、お金をドブに捨てることになる?からです。

フランス語のレッスン代もパリに住むために貯蓄した方が、パリで使った方がいいのです。

フランス語を上達させたいならパリに住むな!

本気で、フランス語を習得したいなら、パリに住む目的があるなら、日本でフランス語学校など通わず、まずは、フランスの田舎、フランスの地方都市に語学留学することです。

語学の勉強の最初のステップは、やはり、机の上での猛勉強です。

私の場合、学生時代の英語は好きでしたので語学の勉強は、苦にはなりませんでした。

日本語も英語も通じない現地で、ストイックに語学を勉強することは、時には、外国語の上達と、勉強量は、必ずしも比例せず、勉強していても、出来ない、話せない、わからない、という孤独との戦いで落ち込むこともありました。

私の場合、その地に住むことによって、学んだ最初の外国語は、イタリア語でした。

その頃は、パリに住むことは考えていませんでしたが、イタリア語を習得後は、イタリア語と同じラテンを由来とするフランス語は、特別に勉強をしなくても、コミニケーションできる語学のメカニズムが頭の中で働くようになっているのです。

私も、渡伊前は、夜、週1から2回、渋谷のイタリア語学校に通っていました。

でも、実際、渡伊を決め、一人、現地に着いた時は、イタリア人の話す言葉が、全く、何が何だかわかりませんでした。私は、語学を学ぶため、田舎で、現地の人に囲まれる環境を選択しました。

日本で仲良しだったイタリア人女性の紹介で、彼女の地元、ボローニャの彼女の同級生のお宅にホームステイをしました。

当時、ボローニャには、日本人は、珍しく、また、彼女の高校や大学の同級生たちとの同居で、寂しいというより、言葉がわからない私を週末にいつも誘って一緒に遊んでくれました。

昼間は、学校、夜は、寝る間を惜しんで、机に向かって、なんでも単語や動詞の活用を書いては、丸暗記。

イタリア語の辞書は、覚えた言い回しのアンダーラインで、真っ黒になってしまったほどです。

イタリア人の彼らと出かける時は、いつもポケット手帳を持ち歩き、彼らの会話で気になる言葉は、カタカナで書き留め、家に帰ってきたら、イタリア語に直し、意味を探すのです。

その時の友人たちが話していたシチュエーションやどんなことについて話していたかは、なんとなくわかるので、その辺は、勘です。そして、多分、この言葉であろうとわかった時は。嬉しかったです。

語学習得には、この勘の良さも、とても大事です。

すべての単語がわからなくても、大まかな内容をつかむこと。これは、ある意味、その人の持つ、語学のセンスがあるかないかによります。

何度も書いて、発音して、丸暗記しようとしても、ボキャブラリーは増えません。忘れてしまうのです。

でも、単語や、言い回しなどは、その使ったシチュエーションと共に頭に入ると、必然的にその単語を覚えることができるのです。

一つの単語には思い出があることが、一番、身につくし、自分自身がその言葉を使うことができるわけです。

辞書丸暗記だと、単語は覚えきれませんし、実際に使うシチュエーションがトンチンカンだったりしてしまうのです。

また、いつも友人たちの中で、一人、メモを取ることは、雰囲気を乱してしまう気がして、気が引けました。

一人だけ、ガツガツ、言葉を勉強しているのは、彼らにも悪いと思って、隠れて、メモを取っていたことを思い出します。

時々、自分が書いた日本語のメモも何を書いていたのかわからない!なんてこともありました。

一人、部屋で、遅くまで勉強し、その勉強した言葉、書き留めた言葉、覚えた言葉を、できるだけ早く、現地の人との会話で使うのです。

フランス語も他の語学も習得方法は同じです。

これは何もイタリア語に限ってでは、ありません。フランス語やイタリア語の動詞の変化は、丸覚えするしかありません。何度も復唱する。何度も同じことを書くのです。フランス人の子供たちもそうしています。

でも、外国語の単語を大人になって学ぶには、机の上で、丸暗記してみても身にはつかないのです。

フランス語の単語を、身につけて覚えるには、その言い回しなども一緒に、その単語を使うのです。

使えるシチュエーションとセットでその単語を話し、使うのです。それは、案外、簡単なことです。

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本当にフランス語が身につくようになるには、私の経験上からも、パリに住むより、地方都市や田舎でフランス人家族と住むこと、日本語を聞かない環境が語学習得の近道だと思います。

私たち、日本人は、金髪や青い目の人など、パリに住む人たちは、皆、フランス語が話せるフランス人だと思っています。

でも、実は、彼らは、きちんとしたフランス語を話せないパリに住む外国人ばかりなのです。パリは、国際的大都市です。東京と違うのは、まるで、NYのように人種のるつぼ。

ヨーロッパの真ん中に位置し、EU圏の人たちは、シェンゲン協定よって、国境がなく、自由に行き来できます。

だから、パリやパリ近郊には、EU国からの移住者、また、社会問題となっているアフリカや中東、アジアからの難民、北米、中南米からの移民が多く住んでいます。

EU圏ならフランス滞在許可書は必要ありませんから、パリに住むことは簡単で、仕事をすることもできます。

そして、フランス人とEU圏の人との間に生まれた子供たちや、フランス人と外国人の間で生まれた、2重国籍を持つ、2世、3世も多くパリに住むので、国籍上は、フランス人であっても、パリは、こうした外国人とハーフだらけなのです。

そうした彼らのフランス語のレベルが一概に高いわけではありません。

例えば、パリのアパルトマンの管理人は、決まって、ポルトガル人です。彼らのフランス語も、独特なアクセントがあって、全くわからない!とフランス人さえ、言っています。

フランス語を話せなくてもパリに住むことはできる。

逆に、今では、パリに住む生粋のフランス人は、本当にわずかです。

そうした異なった人種の人々すべて、文化も違う外国人たちすべても、パリに住むということになれば、共通語である、その国の言葉、フランス語を話し、生活していかなければならないわけです。

では、その彼らが、どれだけ、フランス語を勉強したでしょうか?

これも人それぞれで、2世、3世となると、義務教育をフランスの教育で受けるので、母国語が仏語になるので、仏語が出来て当たり前です。

それでも、こうした多種多様の人種が共存するパリ。パリに住むフランス人のフランス語全体のレベルも低下しています。

一概に、外国人の問題だけではなく、最近は、パソコン普及に伴い、フランスの子供達の国語であるフランス語能力の低下も問題視されてます。

では、私たち、大人になってから、パリに住むことになった外国人は、どうやってフランス語を取得したのでしょう。

まず、彼らは、話すこと、自分の考えなどを伝えることを自国の教育で受けていますから、文法や、筆記ができなくても、コミニケーションを取ることは長けています。

これは、現地、フランス語学校に何年も通う、日本人とは全う違う点です。

彼らは、完璧でなければ、フランス語を話せないとか、スペルを間違えて書いても気にしない、独自の訛りがあろうとそのまま、彼らなりの独特なフランス語を話すのです。

自分はパリに住む外国人なのだからフランス語はできないとある意味、開き直っているかのようです。

日本人がパリに住むとフランス語ができなくて落ち込む。

憧れのパリに住んで、語学学校に通い、フランス語を習い、話せるように日夜勉強する真面目な日本人。完璧でなければ、と思い込む日本人も多いものです。

そして、なかなか、上達しないと感じるため、自分の本来のパリに住む目的すらも見失ってしまうケースもあります。

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パリに語学取得でくる外国人は、アジア系の国の人たちが多く、彼らは、日本人と違い、ズーズーしいくらい度胸もあります。

パリに住むとフランス語が上達するとは思わないこと。パリの語学学校に通っても、フランス語を完璧に取得することはできないからです。

こうした経験からも、フランス語習得をまず第一に考えるなら、まずは、パリに住むことは避けて、地方都市か田舎で半年か1年頑張ってみる。そして、それから、パリに移り住む。

これだけ、外国人が多いパリ。パリに住むことが目的なら、フランス語の勉強は、ダラダラしないことで、長く、語学学校に通うこともない。

パリに住む目的がとても大事で、もし、手に職とかのマニュアルなスキルがあれば、語学は、二の次でいい。

どんなに勉強しても、フランス人と同じように日本人が、フランス語を発音できるはずがない。

日本人にとって、フランス語の口の動かし方は無理があるのです。口の周りの筋肉に負担がかかります。

私たち、日本人とは、全く違う、口や舌の動かし方をするので、本当に難しい発音が多いのです。

日本人がフランス語を話すときの注意点は?

普段、日本語を話すときに無意識に動かしている口の動きもフランス語を話す時は、日本語を話すときよりも数倍意識して、口を大胆に開けなければダメです。

自分では、ちゃんと発音している、話しているつもりでも、この大げさ感がないと、全く、相手にはわからない、通じないという事態に陥ります。

慣れるまでは、いや、慣れても、フランス語を話すときは、口の動かし方に気をつけることが大事ですね。

また、日本人が発音することが困難な単語は、できるだけ、類語で発音がしやすい単語を使えばいいのです。

フランス人でも、自分の使う言葉の語彙の傾向がありますね。

同じ言葉ばかり使っているようになりますが、相手が言っていることがわかるのと、自分が発言するのでは、違います。

自分の口から出るフランス語は、相手が、わかってくれなければ、伝わらなければ、意味がありません。

話している相手に自分のフランス語が通じないことが続くと、落ち込みますので、それを避けるのです。

単語を学ぶ時は、類語や反対語で、グループで覚えていくことも、早くにボキャブラリーを増やすには、重要ポイントですね。失敗を恐れない。恥ずかしがらないことも。

パリには、多くの外国人が住むのだから、ブロークンなフランス語が飛びかています。スラングもたくさん。

パリの外国人たちは、自分のフランス語が伝わらない時、自分の能力を責めたりしませんよ。わからない相手が悪い!くらいの気持ちでいます(笑)

なんでも、相手のせいにするのは、どうなのかなぁと思いますが、パリに住むことになって、フランス語を話しても、相手に伝わらないことが起きて、落ち込むくらいなら、これくらいの気持ちになれる方がいいのかもしれません。相手も外国人のケースが多いのですから。

フランス語が大してできない外国人でも、語学習得だけに執着していません。

パリに住むことによって、自分がどうしたいのか?どうなりたいのか?この目的にブレがないので、フランス語につまずくこともないようです。

まとめ

フランス語は、英語とは違って、世界共通語ではありません。

自分の将来の仕事につながるからフランス語を習得するケース以外、何となくの理由、例えば、パリが好き、いつかパリに住むように滞在したいからと、習うこともあるでしょう。

そうした目的でフランス語を習うということは、英語ができるようになるというのは、全く違う特別な理由があるはずです。

英語は、日本でもフランスでも入試や就職試験で必須ですね。グローバル化が進む今、実践的な英語は使えることが当たり前のご時世です。小学生・中学生・高校生の留学なら留学の【ネクシスジャパン】

でもその誰もが習得しなければいけない英語とは違うフランス語を習うのであれば、フレキシブルに、自分の目的合わせて、独自な方法で習得すること。

そしてパリに住むことと、フランス語が話せるようになることは、全くの別物であることを最初か頭に入れておくこと。

パリに住むことを優先するのか?自分は、どんな方法で、フランス語を取得するのか?フランス語を学ぶためにパリに住む意味があるのか?自分の目指すフランス語のレベルがどの程度なのか?の優先順位をハッキリさせてみてはいかがでしょうか?

そして、フランス語ができなくてもパリに住む外国人がたくさんいます。そして、皆、それぞれの目的を持っています。自分だけではないことも忘れないでくださいね。

この点をよく考えて、世界で一番、美しい街、パリに住むことができて、世界で一番美しい言葉と言われるフランス語を話せるようになることの自分なりの着地点を見つけてください。